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見損
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みそこな
ふりがな文庫
“
見損
(
みそこな
)” の例文
「そうかい。さよなら。えい
畜生
(
ちくしょう
)
。スペイドの十を
見損
(
みそこな
)
っちゃった。」と鴾が黒い森のさまざまのどなりの中から云いました。
若い木霊
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「君のように計画ばかりしていっこう実行しない男と旅行すると、どこもかしこも
見損
(
みそこな
)
ってしまう。
連
(
つれ
)
こそいい迷惑だ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いずれ結構
上〻
(
じょうじょう
)
の物は少い世の中に、一
ト
眼
見損
(
みそこな
)
えば痛手を負わねばならぬ瀬に立って、いろいろさまざまあらゆる骨董相応の値ぶみを間違わず付けて
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「申さいでか。突いて来た刀を前に進んで
外
(
はず
)
し面を打った刀、何と御覧ぜられし、老眼のお
見損
(
みそこな
)
いか」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
彼奴
(
あいつ
)
はあんな奴ですよ。
畜生
(
ちきしょう
)
人を
見損
(
みそこな
)
っていやがるんだ」お島は乱れた髪を
掻
(
かき
)
あげながら、腹立しそうに言った。そして
興
(
はず
)
んだ調子で、現場の模様を誇張して話した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「ばかな事を言ふな。一つ目小僧なんぞと云ふものがあるものか。お前が
見損
(
みそこな
)
つたのだ。」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
……何、
昨夜
(
ゆうべ
)
は暗がりで
見損
(
みそこな
)
ったにして、一向気にも留めなかったのに。……
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「——
見損
(
みそこな
)
ったわえ。年こそ寄れ、頼みある者とも思うたればこそ、一ノ宮の要害をあずけおいたに。……まだ
籠城
(
ろうじょう
)
も半月か
二十日
(
はつか
)
とも
経
(
へ
)
ぬうちに、
弱音
(
よわね
)
をふいて、これへ逃げ参ろうとは」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「殿様ッ! 失礼ながら駒形の与吉を
見損
(
みそこな
)
いましたネ。こんなことを、筋の違うあんたんとこへ持ちこんで、それでいくらかにしようなんて、そんなケチな料簡の与吉じゃアございません」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
民藝に囚われていては、かえって民藝を
見損
(
みそこな
)
う。
改めて民藝について
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「あの男と一緒になったのが、私の間違いです。私の
見損
(
みそこな
)
いです」お島は泣きながら話した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかも普通の落ち方ではない。
遥
(
はる
)
かこなたの
人後
(
じんご
)
だから心細い。葬式の赤飯に手を出し
損
(
そくな
)
った時なら何とも思わないが、帝国の運命を決する活動力の断片を
見損
(
みそこな
)
うのは残念である。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「先づ
町奉行衆
(
まちぶぎやうしゆう
)
位
(
くらゐ
)
の所らしい。それがなんになる。我々は実に先生を
見損
(
みそこな
)
つてをつたのだ。先生の眼中には将軍家もなければ、朝廷もない。先生はそこまでは考へてをられぬらしい。」
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さぞこの俺を
恨
(
うら
)
んでいるだろうな。じっさい、あの喬之助だけは
見損
(
みそこな
)
った。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ときどき、お終いに来て笑い返して出て行った喬之助のことが、誰かの胸へ帰って来て、ふっと気味の悪い沈黙の種となった。何だか、あの喬之助を
見損
(
みそこな
)
っていたようにも考えられるのである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「ううむ、
見損
(
みそこな
)
ったかな——」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
損
常用漢字
小5
部首:⼿
13画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当