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見惚
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みほ
ふりがな文庫
“
見惚
(
みほ
)” の例文
ロイドはそれに
見惚
(
みほ
)
れていて、着物を脱ごうとしなかった。マアガレットが
促
(
うなが
)
すと、彼はそのままシャツの腕まくりをして、浴槽へ近づいて来た。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
巧
(
たくみ
)
な化粧で
変貌
(
へんぼう
)
したX夫人を先年某料亭で見て変貌以前を知って居る私が眼前のX夫人の美に
見惚
(
みほ
)
れ乍ら麻川氏と一緒に単純に
讃嘆
(
さんたん
)
出来なかった事
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それから尾瀬沼へ行って偶然に志村烏嶺氏と落合った、志村氏と燧岳に登って平ヶ岳の雄大なるに
見惚
(
みほ
)
れた、前述の次第で平ヶ岳を思い込んでから失敗ばかり重ねていたが
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
雑輩からたたき上げたルージンは、病的なほどうぬぼれがつよく、自分の頭脳と才知を高く評価していた。時とすると一人でそっと、鏡に映る自分の顔に
見惚
(
みほ
)
れることさえあった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
と亀田先生がいふと、良寛さんはとむねをつかれたやうに、はつとして、そばにおいてあつた徳利を
掴
(
つか
)
むや、さあつと麓の方へ走り出した。良寛さんは月に
見惚
(
みほ
)
れて酒のことを忘れてゐたのである。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
いつぞや帝劇でバンドマンのオペラがあった時、私は若い西洋の女優の腕の白さに
見惚
(
みほ
)
れたことがありましたっけが、ちょうどこの腕があれに似ている、いや、あれよりも白いくらいな感じでした。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
思ひ
屈
(
く
)
ししばし
見惚
(
みほ
)
れつ昼さがり
陶器師
(
すゑものつくり
)
の
廻
(
まは
)
すろくろを
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聞惚
(
きゝほ
)
れ、
見惚
(
みほ
)
れ、あこがれて
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
これを見る
見惚
(
みほ
)
けに心
惑
(
まど
)
ひて
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
吾
(
われ
)
かのさまに
見惚
(
みほ
)
けぬる。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
私は女ながらつくづくこの娘に
見惚
(
みほ
)
れた。棕櫚の葉かげの南洋蔓草の花を見詰めて、ひそかに息を
籠
(
こ
)
めるような娘の全体は、新様式な情熱の姿とでも云おうか。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ゆめのごと空
仰
(
あふ
)
ぎ、いまぞ
見惚
(
みほ
)
るる。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
吾かのさまに
見惚
(
みほ
)
けぬる。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
着物の美しさに
見惚
(
みほ
)
れている間にもわたくしもわたくしのどこかの一部で、これは誰やらに、そしてどこやらが肖ていると
頻
(
しき
)
りに思い当てることをせつくものがあった。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見惚
(
みほ
)
れぬ。——
潤
(
う
)
るむ笛の
音
(
ね
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「なに、ぼんやりしてんの、お母さん。」むす子は美男子に
見惚
(
みほ
)
れて居るような場合、何にも考慮に入れない母親の稚純性を知って居て、くすりと笑った。美青年も何かしら好意らしく笑った。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
惚
漢検準1級
部首:⼼
11画
“見”で始まる語句
見
見出
見物
見下
見上
見送
見透
見做
見当
見廻