行方不明ゆくへふめい)” の例文
彼女かのぢよは、片山かたやま同志どうしのKうちせて、かれ居所ゐどころさがしてゐたが、そのかれが、I刑務所けいむしよ未決監みけつかんにゐるとわかつたのは、行方不明ゆくへふめいになつてから、半年はんとしもののちだつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
柱や横木につかまつて難をまぬかれ、落ちた十三人のうち、ひどく水を呑んだのは六人、そのうち半死半生の目にあつたのは三人、そして行方不明ゆくへふめいになつたのが二人もあります。
其他そのた裁判官さいばんくわんも有る、会社員も有る、鉄道の駅長も有る、なかには行方不明ゆくへふめいなのも有る、物故ぶつこしたのも有る、で、銘々めい/\げふちがふからしておのづから疎遠そゑんる、長い月日には四はうさんじてしまつて
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お吉が行方不明ゆくへふめいになつた晩から、昨晩まで休んで居たが、今晩から又三日、違つた外題げだいで興行し、十月になると、小屋を疊んで、暖かい地方へ行くことになつて居るのでした。
今日こんにちになつて見ると、右の会員の変遷へんせんおどろもので、其内そのうち死亡しばうしたもの行方不明ゆくへふめいもの音信不通いんしんふつうものなどが有るが、知れてぶんでは、諸機械しよきかい輸入ゆにふ商会しやうくわいもの一人ひとり地方ちはう判事はんじ一人ひとり
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)