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蛞蝓
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なめくぢ
ふりがな文庫
“
蛞蝓
(
なめくぢ
)” の例文
「年増の方は
蛞蝓
(
なめくぢ
)
を
甘鹽
(
あまじほ
)
で三日ばかり煮込んだやうな女で、お吉と言ひますがね、自分の部屋で宵からの放樂寢で」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蛞蝓
(
なめくぢ
)
の匐ふ縁側に悲しい淋しい
蟇
(
ひき
)
の声が聞える暮方近く、
室
(
へや
)
の障子は湿つて寒いので一枚も開けたくはないけれど、余りの薄暗さに堪兼ね縁先に出て佇んで見ると
花より雨に
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それより竹藪の中にはひり、竹の皮のむけたのが、裏だけ日の
具合
(
ぐあひ
)
で光るのを見ると、
其処
(
そこ
)
らに
蛞蝓
(
なめくぢ
)
が
這
(
は
)
つてゐさうな、妙な
無気味
(
ぶきみ
)
さを感ずるものなり。(八月二十五日青根温泉にて)
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
海鼠
(
なまこ
)
や
蛞蝓
(
なめくぢ
)
は、矢張り心理で行動することも有るのでは有らうが、殆んど生理でのみ行動して居るやうで、心理で行動して居るところは吾人の眼には上らぬと云つても可なる位である。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それは俊が森枳園と同じく
蛞蝓
(
なめくぢ
)
を嫌つて、闇中に蛞蝓を識つたと言ふことである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
其の薄暗い中に、
紅
(
べに
)
や黄の夏草の花がポツ/\見える。地べたは青く黒ずむだ
苔
(
こけ
)
にぬら/\してゐた………眼の前の柱を見ると、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
の
這
(
は
)
ツた
跡
(
あと
)
が銀の線のやうに
薄
(
う
)
ツすりと光ツてゐた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
仲間には、高村光雲氏の弟子で、泰雲といつた、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
の好きな男も
交
(
まじ
)
つてゐた。白砂糖にまぶして三十六
尾
(
ぴき
)
まで蛞蝓を
鵜呑
(
うのみ
)
にしたといふ男で、
悪食
(
あくじき
)
にかけては滅多に
他
(
ひと
)
に
負
(
ひけ
)
は取らなかつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
雨落
(
あまおち
)
に
敷詰
(
しきつ
)
めた
礫
(
こいし
)
には
苔
(
こけ
)
が
生
(
は
)
えて、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
が
這
(
は
)
ふ、
濕
(
し
)
けてじと/\する、
内
(
うち
)
の
細君
(
さいくん
)
が
元結
(
もとゆひ
)
をこゝに
棄
(
す
)
てると、
三七
(
さんしち
)
二十一日
(
にじふいちにち
)
にして
化
(
くわ
)
して
足卷
(
あしまき
)
と
名
(
な
)
づける
蟷螂
(
かまきり
)
の
腹
(
はら
)
の
寄生蟲
(
きせいちう
)
となるといつて
塾生
(
じゆくせい
)
は
罵
(
のゝし
)
つた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
蛞蝓
(
なめくぢ
)
の匐ふ縁側に悲しい淋しい
蟇
(
ひき
)
の聲が聞える暮方近く、
室
(
へや
)
の障子は濕つて寒いので一枚も開けたくはないけれど、餘りの薄暗さに堪兼ね縁先に出て佇んで見ると
花より雨に
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
どうやら人種の進歩などと云ふのは
蛞蝓
(
なめくぢ
)
の歩みに似てゐるらしい。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「たま/\お天氣になつて驚いたのか、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
みてえな野郎だ」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蛞蝓
(
なめくぢ
)
はふとむくめきぬ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「何んだ、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
ぢやなくてゲヂゲヂか」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“蛞蝓”の意味
《名詞》
(カツユ)「なめくじ」の漢名。
(なめくじ, なめくじら, なめくじり)熟字訓的用法。
(出典:Wiktionary)
“蛞蝓(ナメクジ)”の解説
ナメクジ(蛞蝓)は、陸に生息する巻貝(軟体動物門腹足綱)のうち、殻が退化しているものの総称。またはナメクジ科の一種Meghimatium bilineatumの和名。ナメクジラ、ナメクジリともいう。
(出典:Wikipedia)
蛞
漢検1級
部首:⾍
12画
蝓
漢検1級
部首:⾍
15画
“蛞蝓”で始まる語句
蛞蝓野郎
蛞蝓縮身秘法