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藁葺屋根
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わらぶきやね
ふりがな文庫
“
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)” の例文
麦の畑を
貫
(
つらぬ
)
いた細い道は、向こうに見えるひょろ長い
榛
(
はん
)
の並木に通じて、その間から役場らしい
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
が
水彩
(
すいさい
)
画のように見渡される。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
うす雲の間から、
洩
(
も
)
れる弱い日影は、
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
の上に照って、静かな、
長閑
(
のどか
)
な天気でありました。やがて
大暴風雨
(
おおあらし
)
のする模様などは見えませんでした。
嵐の夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
川
(
かは
)
の
可恐
(
おそろ
)
しさに
氣落
(
きおち
)
がして、
殆
(
ほとん
)
ど
腰
(
こし
)
の
立
(
た
)
たない
男
(
をとこ
)
を、
女房
(
にようばう
)
が
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
遠
(
とほ
)
くもない、
槐
(
ゑんじゆ
)
に
似
(
に
)
た
樹
(
き
)
の
森々
(
しん/\
)
と
立
(
た
)
つた、
青煉瓦
(
あをれんぐわ
)
で、
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
の、
妙
(
めう
)
な
住居
(
すまひ
)
へ
伴
(
ともな
)
つた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ぐったりとした
四肢
(
しし
)
の疲れのように田舎路は
仄暗
(
ほのぐら
)
くなってゆくのだが、ふと眼を
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
の上にやると、大きな
榎
(
えのき
)
の梢が一ところ真昼のように明るい光線を
湛
(
たた
)
えている。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
その向こうは一段低くなっていると見えて柿のこずえの下にある家の
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
だけが地面にのっかっているように見えていた。ここで画架を立てて二時間余りを無心に過ごした。
写生紀行
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
畑地の奥に
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
の農家が見える。新免家の縁類の子孫かのように聞いた。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は昔あった青田と、その青田の間を走る
真直
(
まっすぐ
)
な
径
(
こみち
)
とを思い出した。田の尽る所には三、四軒の
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
が見えた。
菅笠
(
すげがさ
)
を脱いで
床几
(
しょうぎ
)
に腰を掛けながら、
心太
(
ところてん
)
を食っている男の姿などが眼に浮んだ。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
発戸
(
ほっと
)
の右に
下村君
(
しもむらぎみ
)
、
堤
(
つつみ
)
、
名村
(
なむら
)
などという
小字
(
こあざ
)
があった、
藁葺屋根
(
わらぶきやね
)
が
晨
(
あした
)
の星のように散らばっているが、ここでは利根川は少し北にかたよって流れているので、土手に行くまでにかなりある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
藁
漢検準1級
部首:⾋
17画
葺
漢検準1級
部首:⾋
12画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
“藁葺”で始まる語句
藁葺
藁葺家
藁葺御堂
藁葺小屋
藁葺小舎
藁葺尾根