薄板うすいた)” の例文
以前に幅の広い薄板うすいたをまげてとじた桶、または水甕みずがめをもって水をはこんでいたころには、これに手をつけてひっさげるなどということは、想像もおよばぬ話であった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
薄板うすいた組合くみあはせて名かた暗箱あんはこをこしらへる。内すみる。から十五錢ばかりでしかるべき焦點距離せうてんきよりを持つ虫鏡をつて來て竹つゝにはめんだのを、一方のめんにとりつける。
木工場と鋳造場と、その向うの薄板うすいた工場と、第一工場のデッキの下を潜り抜けて、購買組合の前から通用門を抜けると往来へ出る。そこから一気に警察へ駈け込んで行ったのであった。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
南屋みなみや普請ふしんかゝつてるので、ちやうど與吉よきち小屋こや往來わうらいへだてた眞向まむかうに、ちひさな普請小屋ふしんごやが、眞新まあたらしい、節穴ふしあなだらけな、薄板うすいたつてる、三方さんぱうかこつたばかり、むでつないだなは
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)