脊骨せぼね)” の例文
脊骨せぼねくじいた人が三人程に、火傷やけどの人や、三階や二階から落ちた人や、盲腸炎もうちょうえんの人や、なか/\種々な種類の患者が居ります。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
すると運平老は、急に脊骨せぼねを真直にし、天井に注いでいた視線を、射るように俊亮の顔に転じて、かみつくように言った。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
文字の精は、また、彼の脊骨せぼねをもむしばみ、彼は、へそに顎のくっつきそうな傴僂せむしである。しかし、彼は、おそらく自分が傴僂であることを知らないであろう。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
グラグラと眩暈めまいがして、世界が遠のいて行くのを感じたかと思うと、グンと脊骨せぼねくだける様なショックを受けた。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
かう云ひながら、彼女の脊の高い身體と幅廣の上衣うはぎとをぐい/\窓の方によせたので、私は殆んど脊骨せぼねが折れさうになるまでに後に身體を曲げさせられてしまつた。
いただかねばなりませぬ。それが果して成るか成らぬか。そこに脊骨せぼねしぼられるようななやみが……
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すると井上がうしろへまわって、博士の脊骨せぼねをかぞえたうえで、急所をどんと突いた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
長蟲ながむし苦悶くもんへず蜒轉𢌞のたうちまはり、のがでんといだ纖舌せんぜつほのほよりあかく、ざるより突出つきいだかしらにぎちてぐツとけば、脊骨せぼねかしらきたるまゝ、そと拔出ぬけいづるをてて、しかばねかたへうづたか
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
巨巖の如き大頭おほがしら脊骨せぼねの弓の太しきも
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
巨巌の如き大頭おほがしら脊骨せぼねの弓の太しきも
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)