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綰
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わが
ふりがな文庫
“
綰
(
わが
)” の例文
眼鼻、口耳、皆立派で、眉は少し手が入っているらしい、代りに、髪は高貴の身分の人の如くに、
綰
(
わが
)
ねずに垂れている、其処が
傲慢
(
ごうまん
)
に見える。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
三方はモルタルの壁で、
綰
(
わが
)
ねたゴムホースや、消火器や油差などが掛かっている。頭のほうに戸口があって、そこから薄緑に染まった陽がさしこんでいる。
肌色の月
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
今日では石油を
襤褸
(
ぼろ
)
に浸していぶすものであるが、以前は竹の串に髪の毛を少し
綰
(
わが
)
ねて
挾
(
はさ
)
み、その片端を焦がしたもの、あるいは
野猪
(
のじし
)
の
生皮
(
なまかわ
)
を一寸角ばかりに切って
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
董花
(
すみれ
)
のかほり高き
邊
(
ほとり
)
、
覆
(
おほ
)
はざる柩の裏に、
堆
(
うづたか
)
き
花瓣
(
はなびら
)
の紫に埋もれたる
屍
(
かばね
)
こそあれ。
長
(
たけ
)
なる黒髮を
額
(
ぬか
)
に
綰
(
わが
)
ねて、これにも一束の菫花を揷めり。是れ瞑目せるマリアなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ハマとは特殊の的のことで、
之
(
これ
)
を射るに用いた弓矢をハマ弓ハマ矢と称し、後には単に男児の初正月を祝う飾物となってしまった。ハマは藁縄や藤蔓などを
綰
(
わが
)
ねて作ったり、
又
(
また
)
は木で作ったりする。
初旅の大菩薩連嶺
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
▼ もっと見る
ト
無慙
(
むざん
)
や、行燈の前に、
仰向
(
あおむ
)
けに、
一個
(
ひとつ
)
が
頭
(
つむり
)
を、
一個
(
ひとつ
)
が
白脛
(
しらはぎ
)
を取って、宙に釣ると、
綰
(
わが
)
ねの緩んだ
扱帯
(
しごき
)
が抜けて、
紅裏
(
もみうら
)
が肩を
辷
(
すべ
)
った……雪女は
細
(
ほっそ
)
りとあからさまになったと思うと、すらりと落した
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白柳
(
どろやなぎ
)
の枝を
綰
(
わが
)
ねて
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
珠数子釣りは鉤は無くて、餌を
綰
(
わが
)
ねて輪を作る、それを鰻が呑み込んだのを
攩網
(
たま
)
で掬って捕るという仕方なのだ。
夜の隅田川
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
少女の姿を論ずべからずと云ひ、理髮師は、否々、彼の美しき髮のいかに
綰
(
わが
)
ねられたるかを見ずやと云ひ、語學の師はその會話の妙をたゝへ、舞の師はその擧止のけだかさを讚む。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
のちの
験
(
しるし
)
にせばやと思いてその髪をいささか切り取り、これを
綰
(
わが
)
ねて
懐
(
ふところ
)
に入れ、やがて家路に向いしに、道の程にて
耐
(
た
)
えがたく睡眠を
催
(
もよお
)
しければ、しばらく
物蔭
(
ものかげ
)
に立寄りてまどろみたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ムッシュウは
綰
(
わが
)
ねたザイルを肩にかけてピッケルを持ち、マダムは緑色のサングラスをして、水筒を吊っていた。昼食は氷河の近くの山小屋でするつもりだったので、食糧は用意しなかった。
白雪姫
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
帯を解いて下じめと共に
卓子
(
テイブル
)
の上に
綰
(
わが
)
ねてあった。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
後の
験
(
しるし
)
にせばやと思ひてその髪をいささか切り取り、これを
綰
(
わが
)
ねて懐に入れ、やがて家路に向かひしに、道の程にて耐へがたく睡眠を催しければ、しばらく物蔭に立ち寄りてまどろみたり。
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
綰
漢検1級
部首:⽷
14画
“綰”を含む語句
綰物
大綰総
王綰
賈綰