じゅん)” の例文
竹童ちくどうじゅんなものだ。そういわれてまで、かれを敵視てきしする気にもなれないので、意気いきごんだ力抜ちからぬけに、またもとの堤草どてぐさへ腰をおろした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母性愛ぼせいあいばかりはこれはまったべつで、あれほどじゅんな、そしてあれほど力強ちからづよいものはめったにほか見当みあたりませぬ。それはじつによくわたくしほうつうじてまいります。
かれは、自分じぶんのまちがった行為こういづくと、すぐにこころから反省はんせいするじゅん少年しょうねんであったのです。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女の咲かせた情操の姿は、野の花に見るあんなふうに、またなくじゅんで飾り気もない愛だったから——。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じゅんや、あれをい。とりでさえ、よわいものは、ばかにされるでな。」と、いったのです。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)