築上つきあ)” の例文
もつとも周三は近頃ちかごろおそろしい藝術的げいじゆつてき頬悶ほんもんおちいツて、何うかすると、折角せつかく築上つきあげて來た藝術上の信仰しんかう根底こんていからぐらつくのであツた、此のぐらつきは、藝術家にりて、もつとも恐るべき現象げんしやう
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
椰子やし檳榔子びんろうじの生え茂つた山に添つて、城のやうに築上つきあげた、煉瓦造れんがづくりがづらりと並んで、矢間やざまを切つた黒い窓から、いしびやの口がづん、と出て、幾つも幾つも仰向あおむけに、星をまうとして居るのよ……
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
椰子やし檳榔子びんらうじしげつたやまつて、しろのやうに築上つきあげた、煉瓦造れんぐわづくりがづらりとならんで、矢間やざまつたくろまどから、いしびやくちがづん、とて、いくつもいくつも仰向あをむけに、ほしまうとしてるのよ……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)