箇樣かやう)” の例文
新字:箇様
長歌のみはやや短歌と異なり申候。古今集の長歌などは箸にも棒にもかゝらず候へども箇樣かやうな長歌は古今集時代にも後世にも餘り流行はやらざりしこそもつけの幸と存ぜられ候なれ。
歌よみに与ふる書 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
父はなみだを拂ひつゝ娘に向ひて又云やう其述懷じゆつくわいさる事ながらもし此先が武士なりせば今更になり箇樣かやうな事を面目めんぼくなくて云てもるまじよし又云て來たればとて此方こなた承引ひきうけ其明の立ざる中は使の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やどりはや五月いつゝきあひなり候と申上げれば徳太郎君きこめし甚だ當惑たうわくていなりしがやゝあつて仰けるは予は知る如き部屋住へやずみ身分みぶん箇樣かやうの事が聞えては將監が手前てまへ面目めんぼくなし予もまた近々きん/\に江戸表へ下り左京太夫殿の家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
只今大膳よりきゝ及び承知したりしか箇樣かやう大望たいまうは中々うきたる事にては成就じやうじゆ覺束おぼつかなしまづ根本こんぽんより申合せてたくまねば萬一まんいち中折なかをれして半途はんと露顯ろけんに及ぶ時は千辛萬苦せんしんばんくも水のあわなるばかりか其身の一大事に及ぶべし先名乘なのり出る時は必ず其生れ所とそだちし所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)