笠森稲荷かさもりいなり)” の例文
旧字:笠森稻荷
の大西徳藏という車夫くるまやに供をさせて、人力でどっとと降る中を谷中の笠森稲荷かさもりいなりの手前の横町を曲って、上にも笠森稲荷というが有りますが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おおきくうなずいた伝吉でんきちは、おりからとおあわせた辻駕籠つじかごめて、笠森稲荷かさもりいなり境内けいだいまでだと、酒手さかてをはずんでんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
去年きょねん梅見時分うめみじぶんから伊勢新いせしん隠居いんきょ骨折ほねおりで、させてもらった笠森稲荷かさもりいなり水茶屋みずぢゃやたちま江戸中えどじゅう評判ひょうばんとなっては、きょう大吉だいきちかえった有難ありがたさを、なみだともよろこぶよりほかになく
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
下谷したや谷中やなかかたほとり、笠森稲荷かさもりいなり境内けいだいに、行燈あんどんけた十一けん水茶屋娘みずちゃやむすめが、三十余人よにんたばになろうが、縹緻きりょうはおろか、まゆ一つおよものがないという、当時とうじ鈴木春信すずきはるのぶが一枚刷まいずり錦絵にしきえから
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)