祖母ばゞ)” の例文
町内てうない一の財産家ものもちといふに、家内かない祖母ばゞ此子これこ二人ふたりよろづかぎ下腹したはらえて留守るす見渡みわたしの總長屋そうながや流石さすが錠前でうまへくだくもあらざりき、正太しようたさきへあがりて風入かぜいりのよき塲處ところたてゝ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なにわたくしからふと、じつはあの文庫ぶんこはうむし大切たいせつしなでしてね。祖母ばゞむか御殿ごてんつとめてゐた時分じぶんいたゞいたんだとかつて、まあ記念かたみやうなものですから」とやうこと説明せつめいしてかした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
湯屋の裏口から駈出して小日向に参りましたのは、祖父じゞ祖母ばゞの葬ってある寺は小日向台町だいまち清巌寺せいがんじで有りますから参詣を致し、それから又廻り道をして両国へ掛って深川霊岸れいがん寺中じちゅう永久寺えいきゅうじへ参り
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)