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石頭
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いしあたま
きよとんとして、
小姉に
再び
其の
包を
渡すと、
默つて
茶を
汲みに
行く、
石頭のすくんだ、——
背の
丸さ。
どうか世間の
石頭へも
頒けて呑ませてやりたいものだ。
直ぐに
殘つたのに
醤油をつける。
殆ど
空で、
奴は、
此の
間に
例の、
目をきよろつかせる、
鼻をひこつかせる、
唇をへし
曲げる。
石頭を
掉る、
背ごすりをする、
傍見をする。
……
石頭に
角のある、
大出額で、
口を
逆のへの
字に、
饒舌をムツと
揉堪へ、
横撫でが
癖の
鼻頭をひこつかせて、こいつ、
日暮里の
煙より、
何處かの
鰻を
嗅ぎさうな、
團栗眼がキヨロリと
光つて