石磈いしころ)” の例文
「へい、おちなさいまし、石磈いしころきしみますで。」とつくばつて、ぐい、とかぢおさへる。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
利かぬ気の親仁おやじじゃ、お前様、月夜の遠見に、まとったものの形は、葦簀張よしずばりの柱の根をおさえて置きます、お前様の背後うしろの、その石磈いしころか、わしが立掛けて置いて帰ります、この床几しょうぎの影ばかり。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つばで破いて、その穴から舌を出したり、路地の木戸を石磈いしころでこつこつやったり、柱を釘できずをつけたり、階子はしごを担いで駆出すやら、地蹈鞴じだんだんで唱歌を唄うやら、物真似は真先まっさきに覚えて来る
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『はツ、』とふと一個ひとつちやう石高道いしだかみち石磈いしころ一本竹いつぽんだけ踏掛ふみかけた真中まんなかのが、カタリとあしおとてると、乗上のりあがつたやうに、ひよい、とたかつて、すぐに、ひよこりとまたおなたけ歩行あるす。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
友造ともざうかげ石磈いしころうへゆらいで
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)