トップ
>
矢弾
>
やだま
ふりがな文庫
“
矢弾
(
やだま
)” の例文
いまや意気の
昂
(
あが
)
りぬいている軍勢であるから、その
矢弾
(
やだま
)
といい、
喊声
(
かんせい
)
といい、ほとんど、左馬介光春の率いる一千余の兵力の如きは
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
全勝の花冠は我が頭上に
在焉
(
あり
)
。敵は見ン事鉄嶺以北に退却した。剣折れ、馬斃れ、
矢弾
(
やだま
)
が尽きて、戦の続けられる道理は昔からないのだ。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
防御のない急所を
矢弾
(
やだま
)
の雨にさらすようなものかもしれない。その上にまた亮は弱い健康には背負いきれない「生」の望みを背負っていた。
亮の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
除夜の鐘を聞きながら身代あらわれ、せっかくの三年の苦心も水の
泡
(
あわ
)
、さすがの智者も
矢弾
(
やだま
)
つづかず、わずか銀一粒で大長者の万屋ぐゎらりと破産。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
南蛮
頬
(
ほお
)
といっている葡萄牙渡来の鉄の面甲には、
悪魔
(
でもん
)
、鬼、獅子、狼、鷲など、いろいろの型があり、
矢弾
(
やだま
)
の
掠傷
(
かすりきず
)
から面部を保護するための武具だが
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
「そちにとってはふた
児
(
ご
)
の姉、君尾の身の上心もとない。駕籠は危険、
矢弾
(
やだま
)
のマト。杉窪まではわずか半里。そちも紀州頼宣の娘、勇を
鼓
(
こ
)
して徒歩で行け!」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何はともあれ、彼の身辺へも
矢弾
(
やだま
)
が飛んで来たろうし、事態の重大も直感したろう。だが、この
胆太
(
きもふと
)
い海外貿易家の若い博多町人は
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「知れたことよ」と出しゃばる左源太、「
矢弾
(
やだま
)
が飛びます! 矢弾が飛びます!」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
きのうまで、城壁と
濠
(
ほり
)
をへだてて、
矢弾
(
やだま
)
を交わして来た敵味方が、いま
閾
(
しきい
)
一
(
ひと
)
すじを間において、こう対坐したのである。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敵も味方も居坐ったまま
矢弾
(
やだま
)
をポンポン飛ばせるばかりである。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
城中からは、守将の三宅藤兵衛以下、数百の兵がいる様子だし、それらの者が、一時、
矢弾
(
やだま
)
のあらんかぎり烈しく撃ちつづけて来るからであった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
税を税とは思わなかった。自分たちの安住楽業のためとして、一度の酒を我慢すれば、一尺の国境を守る
矢弾
(
やだま
)
になることを、教えられずとも知っていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尾張の大兵をうけて、善戦半月の余、
矢弾
(
やだま
)
尽きるの日、勘解由は、炎の中で静かに、夫婦
対
(
むか
)
いあってさし
交
(
ちが
)
えた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢弾
(
やだま
)
は、ともすると、
鬢
(
びん
)
の毛をかすってくる。前はうずまく
深淵
(
しんえん
)
、ふたりは、進退きわまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と称して、鷹狩と触れてはいたが、その
狩衣
(
かりぎぬ
)
をかなぐり捨て、その将士の
勢子
(
せこ
)
に
矢弾
(
やだま
)
を命じて
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武士が
列伍
(
れつご
)
を組めば、忽ち、火は空を焦がし、
矢弾
(
やだま
)
は地をゆるがすのが、この頃のあたりまえだったので、子どもらの眼にも、それはまたなく綺麗に見えたものであろう。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姿を櫓の上からかくすと、忽ちおびただしい
矢弾
(
やだま
)
が空に唸った。勤祥はぜひなく立ち戻って
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いじらしいものだ。それはまだ
二十歳
(
はたち
)
にも足らぬ旅すがたの女子。
矢弾
(
やだま
)
のなかに迷うていたのを、兵に申しつけて、八幡原の社家のうちに
庇
(
かぼ
)
うておいたぞ。はやく戻って、無事を
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「弓組、鉄砲組をひきつれて、あの大屋根へのぼらせ、城内へ
矢弾
(
やだま
)
を撃ちこめ」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう
矢弾
(
やだま
)
も来ない。まさに城兵は
逼塞
(
ひっそく
)
したとみえる。光秀はかたわらを顧みて
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「敵国なれど、近くまで出陣して参ったものを、お眼にもかからず、
矢弾
(
やだま
)
を師の
在
(
お
)
わす
郷
(
さと
)
へ射ち込むのは、師弟の情、忍び難いここちがいたすので、これから御挨拶をしに行こうと存ずる」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして無性に、光春の姿の消えたあたりに向って、
矢弾
(
やだま
)
を
盲射
(
もうしゃ
)
し出した。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兄の細川与一郎(
忠興
(
ただおき
)
)は、総がかりとなるや、味方のまっ先に本丸へ斬り入り、弟の
頓五郎
(
とみごろう
)
(
興元
(
おきもと
)
)も、兄に負けじと、躍りこんで、兄弟、
矢弾
(
やだま
)
の中に奮戦して、松永久秀の旗本三人までを
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに
糧
(
かて
)
もなく
矢弾
(
やだま
)
もない。関羽はついに涙をのんで王甫に別れた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あたかも
矢弾
(
やだま
)
の弱さをあざけっているようだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢弾
(
やだま
)
を消費するまでもない
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
弾
常用漢字
中学
部首:⼸
12画
“矢弾”で始まる語句
矢弾丸