直下すぐした)” の例文
うれい重荷おもにうて直下すぐしたに働いて居る彼爺さん達、彼処あち此処こちに鳶色にこがれたけやきの下かしの木蔭に平和を夢みて居る幾個いくつ茅舎ぼうしゃ
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
カテドラルの直下すぐしたの家の三階に金字で画家ヷン・ダイクの生れた家だと書いてあるのを見附けて、その家の一部にある煙草たばこ屋で記念の絵葉書を買つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「いや、何もない。分ったことは、あの社長室の直下すぐしたの四階は、石垣いしがきという建築師の事務所、その下の三階は空き部屋だ。両方とももう戸がしまっていて、調べようにも方法がない」
何でも濠洲へ出稼ぎして居る自分の弟が死んで遺身かたみとして大金を送って来たと云う事で、其の金を以て主人の屋敷を買い取り、此の塔の時計室の直下すぐしたに在る座敷を自分の居間にして
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
それは、一階には手のとどかない高い書棚の本をとるために軽い梯子はしごのあるのを幸い、これを音のすると思われる直下すぐしたへ掛け、それに昇って一体何の音であるのかをたしかめてみようと考えた。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わたしくとともに、直下すぐした三番町さんばんちやうと、見附みつけ土手どてには松並木まつなみきがある……大方おほかた玉蟲たまむしであらう、としんじながら、うつくしいむしは、かほに、玉蟲色たまむしいろ笹色さゝいろに、一寸ちよつと口紅くちべにをさしてたらしくおもつて
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
皇帝の居間の直下すぐしたに当ると云ふ広場などは人間のかたまりで身動きの成らぬ程であつたが、自分達は自動車に乗つて居たお蔭でからうじて通り抜ける事が出来た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)