白服しろふく)” の例文
玉子たまご半熟はんじゆく、とあつらへると、やがてさらにのつて、白服しろふくからトンといて、卓子テエブルうへあらはれたのは、生々なま/\しいにく切味きりみに、半熟はんじゆくつたのである。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
同じ仲間なかま飴屋あめやが、大道で飴細工あめざいくこしらえてゐると、白服しろふくの巡査が、あめまへはなして、邪魔になつて仕方しかたがない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ジョバンニはおじぎをするととびらをあけて計算台のところに来ました。すると白服しろふくた人がやっぱりだまって小さな銀貨ぎんかを一つジョバンニにわたしました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そして前跼まえこごみになって、何か捜しているようだったが、それは、崖を下る小径だったと見えて、やがて、その二人の白服しろふくは、するすると真黒い草叢くさむらの中へ消えてしまった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
白服しろふく姿勢しせいで、ぴたりとまつて、じろりとる、給仕きふじ氣構きがまへおそれをなして
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)