異状いじょう)” の例文
「これアすくなくとも四五百円にはなる代物しろものだ」と折井刑事は目をみはって、「仙太の持ち物としては、たしかに異状いじょう有りだネ、山城君」
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかしわたしすこしも身体からだ異状いじょういです、壮健そうけんです。無暗むやみ出掛でかけることは出来できません、どうぞわたし友情ゆうじょうのことでなんとかしょうさせてください。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
窓の鉄格子にも、なんの、異状いじょうもありません。窓やドアから出なかったことはたしかです。この部屋には、秘密のかくし戸なんか、ぜったいにありません。
黄金豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そのときにはたしかに精神せいしん異状いじょうていしておった。なにを話してみようもなく、花前は口をきかなかった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
富士男は勇み立つ三人をとめて、かれ草をあつめてそれに火をともし、洞穴へさしいれた、そうして空気に異状いじょうがないのを見て、一同は洞穴のなかへはいった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
すでにおいのちのないものなら、まことにご武運のすえ、また人力じんりょくのおよぶところではござりませぬが、ただいま、大九郎の話によれば、まだご尊体そんたいにはなんのご異状いじょうなく、明朝
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駅員には、上り電車がプラットホームに到着しても、車内に異状いじょうを認めない上でないと、乗客出入口のドアを開いてはならないと命令した。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「それはもうたしかですよ。さっきからたびたび、しらべてみたのですが、すこしも異状いじょうはありません。」
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「こう見たところでは、ふた合口あいくち異状いじょうはないが」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
サービスのからだには、なんの異状いじょうもなかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「いいえ、機械にも何も異状いじょうはありませんし、見張りの機械人間も、だれの姿も見うけなかったと申しております。窓も戸口も内がわから鍵がかかっていて、逃げだした形跡けいせきはどこにも残っておりません」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「戸の外になにか異状いじょうがあるのだ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
異状いじょうがないと報告しました。
黄金豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)