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まちうら
「バケツさん、どうぞご
機嫌ようお
暮らしなさい。」と、ねずみは
別れを
告げて、ふたたびさびしい
町裏の
方を
指して
出かけました。
少年のすみかは、
町裏の
狭い
路地でありましたから、
平常は、はちや、ちょうなどはめったに
飛んできたことがありません。
このあいだまで
大工たちが、ここで
他所へ
建てる
家の
材木を
切り
込んでいたのでした。ここは、
町裏の
原っぱであります。
町裏に、
隣組の
人々によって、
耕された
田圃がありました。そこには、
黄色の
菜の
花が
咲いていました。
町裏を
小さな
川が
流れていました。
川というよりは、
溝といったほうがあたっているかもしれません。
家々で
流した
水が
集まって、
一筋の
流れをなしているのでありました。