-
トップ
>
-
爺樣
>
-
ぢいさま
「
先生さん
戯談いつて、なあにわしや
爺樣に
打たれたんでさ」
勘次は
只管に
醫者の
前に
追求の
壓迫から
遁れようとするやうにいつた。
嬰兒も
亭主もごみ/\と
露出の
一間に
枕を
並べて、
晨起の
爺樣一人で、
釜の
下を
焚つけて
居た
處で。
なあに
爺樣そつちこつちから
持つて
來て
植ゑたてたのよ、
去年はそんでも
其處らへ
玉蜀黍位作れたつけが、
此れ、
邪魔だとも
云はんねえしなあ
「
此れからはあ、わしも
爺樣こと
面倒見べと
思ふんでがすがね、
今ツからでもお
内儀さん
間合ねえこたありあんすめえね」