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燒盡
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やきつく
彼が
自分の
庭に
立つた
時は、
古い
煤だらけの
疎末な
建築は
燒盡して
主要の
木材が
僅に
焔を
吐いて
立つて
居る。
火は
尚ほ
執念く
木材の
心部を
噛んで
居る。
唐鍬の
刄先は
卯平の
頭に
近く
筵の一
端を
掠つて
深く
土に
立つた。
彼はそれから
燒盡して一
杯の
煨になつた
自分の
家に
近く
駈け
寄つた。
彼は
火の
恐ろしい
熱度を
感じて
少時躊躇して
立つた。