火鼠ひねずみ)” の例文
あなたの欲しいものは何ですか? 火鼠ひねずみかわごろもですか、蓬莱ほうらいの玉の枝ですか、それともつばめ子安貝こやすがいですか?
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
第三番だいさんばん阿倍あべ右大臣うだいじん財産家ざいさんかでしたから、あまりわるごすくはたくまず、ちょうど、そのとし日本につぽん唐船とうせんあつらへて火鼠ひねずみ皮衣かはごろもといふものつてるようにたのみました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
それからその寝姿を半蔽なかばおおっている、着物らしいものが見えましたが、これは芥火にそむいているので、噂に聞く天狗の翼だか、それとも天竺てんじくにあると云う火鼠ひねずみけごろもだかわかりません。——
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは五人ごにんとも別々べつ/\で、石造皇子いしつくりのみこには天竺てんじくにあるほとけ御石みいしはち車持皇子くらもちのみこには東海とうかい蓬莱山ほうらいさんにあるぎんきんくき白玉しらたまをもつたえだ一本いつぽん阿倍あべ右大臣うだいじんには唐土もろこしにある火鼠ひねずみ皮衣かはごろも
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)