火吹竹ひふきだけ)” の例文
やとはれて女房等にようばうら一人ひとりふたをとつてがら/\とまはして、それから火吹竹ひふきだけでふう/\といた。ほのほあかしたがべろ/\とながつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
不意を食った馬春堂が下へころげ落ちたところを、手にふれた火消壺ひけしつぼをたたきつけ、騎虎の勢いはなお余って、まきや十能や火吹竹ひふきだけなど手当り次第に投げつける。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この頭をった老農の姿は、殊におかしくも又なつかしいが、作者の胸に描いている古家の炉ばたの光景は、おそらくは火吹竹ひふきだけとは関係の無いものであったろう。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
臺所だいどころ豪傑儕がうけつばら座敷方ざしきがた僭上せんじやう榮耀榮華えいえうえいぐわいきどほりはつし、しやて、緋縮緬小褄ひぢりめんこづままへ奪取ばひとれとて、竈將軍かまどしやうぐん押取おつとつた柄杓ひしやく采配さいはい火吹竹ひふきだけかひいて、鍋釜なべかま鎧武者よろひむしや
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我もそを聞きて半黒を善きもののやうに思ひし事あり。またこの夜四辻にきたなき犢鼻褌ふんどし炮烙ほうろく火吹竹ひふきだけなど捨つるもあり。犢鼻褌のたぐいを捨つるは厄年の男女その厄を脱ぎ落すの意とかや。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「八、近頃は火吹竹ひふきだけの稽古だそうだな」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
れを被害者ひがいしや女房にようばう土間どまけおりてかまどくちけてふう/\と火吹竹ひふきだけいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それを知らぬというので怒って火吹竹ひふきだけで打つ。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「八、近頃は火吹竹ひふきだけの稽古ださうだな」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)