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灑
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そゝ
ふりがな文庫
“
灑
(
そゝ
)” の例文
美しき目より
火箭
(
ひや
)
を放ちて人の胸を射るは、容易ならぬ事なれば許し難しと論告せしに、喝采の聲と倶に、花の雨は我頭上に降り
灑
(
そゝ
)
ぎぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それを今書いて君に
遣
(
や
)
る。それから京都
東本願寺家
(
ひがしほんぐわんじけ
)
の
粟津陸奥之助
(
あはづむつのすけ
)
と云ふものに、己の心血を
灑
(
そゝ
)
いだ
詩文稿
(
しぶんかう
)
が借してある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
(寝てしまはうかな!)彼は、そんなことを思ひながら、庭の青葉に降り
灑
(
そゝ
)
いでゐる光りを、物憂気に眺めてゐた。
明るく・暗く
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
御先祖樣が
慶長
(
けいちやう
)
元和
(
げんな
)
度々
(
どゞ
)
の戰場に、敵の血を
灑
(
そゝ
)
いだるその鎧、申さばお身にもかへがたき寶、藤枝五百石のお家はその鎧と太刀の功名故でござりまするぞ。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
東西両大分割の未来の勝敗を算して、おもむろに邦家の為に熱血を
灑
(
そゝ
)
ぐものいづくにある。
杳遠
(
えうゑん
)
なる理想境を観念して、危淵に臨める群盲の衆生を
憂唫
(
いうぎん
)
する者、いづくにある。
一種の攘夷思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
その
喞筒
(
ポンプ
)
の水の方向は或は右に、或は左に、多くは
正鵠
(
せいこく
)
を得なかつたにも
拘
(
かゝは
)
らず、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、多量の水がその方面に向つて
灑
(
そゝ
)
がれたのと、幸ひ風があまり無かつたのとで、下なる低い家屋にも
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
さう云つた時に、小秀は恥かしさうに、パツと顔に朱を
灑
(
そゝ
)
いだ。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
半
(
なかば
)
灑
(
そゝ
)
ぐ雲天の
裏
(
うち
)
、なぞといふ詩句も出來て來るのである。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
胸
(
むね
)
温柔の女性らは涙
灑
(
そゝ
)
ぎて悲まん。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
鮮
(
あざら
)
けき
乳
(
ち
)
を
灑
(
そゝ
)
ぐ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
我床には呪水を
灑
(
そゝ
)
ぎぬ。わが眠に就くときは、僧來りて祈祷を勸めたり。此處置は益〻我心を
妥
(
おだやか
)
ならざらしめき。
囈語
(
うはごと
)
の由りて出づるところは、われ自ら知れり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
けれどその影の
敏捷
(
びんせふ
)
なる、とても
人間業
(
にんげんわざ
)
とは思はれぬばかりに、走寄る自分の
袖
(
そで
)
の下をすり抜けて、
電光
(
いなづま
)
の如く傍の森の中に身を
没
(
かく
)
して了つた。跡には石油を
灑
(
そゝ
)
いだ材料に火が移つて
盛
(
さかん
)
に燃え出した。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
弥六の襟、袖、手首には、
灑
(
そゝ
)
ぎ掛けたやうに血が附いた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
聞説
(
きくな
)
らく、昔はボツカチヨオ涙をヰルギリウスの
墳
(
つか
)
に
灑
(
そゝ
)
ぎて、譽を天下に馳せたりとぞ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
灑
漢検1級
部首:⽔
22画
“灑”を含む語句
灑々
灑脱
灑掃
灑水
婆誐囉捏具灑耶
掃灑
洒灑
清灑
瀟灑
灑拭
灑来
珊瑚灑
磊灑
絹灑
脱灑
遵勁瀟灑