トップ
>
潜戸
>
くゞりど
ふりがな文庫
“
潜戸
(
くゞりど
)” の例文
旧字:
潛戸
表門の
潜戸
(
くゞりど
)
ばかりを
開
(
あ
)
けた家中は
空屋敷
(
あきやしき
)
のやうに
寂
(
しん
)
として居る。自分は日頃から腹案して居る
歌劇
(
オペラ
)
脚本の第一頁に筆を下して見た。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
物見臺から同じ梯子を降りると、平次の入つた戸へ入らずに、小さい庭を横切つて黒板塀の
潜戸
(
くゞりど
)
を押すと、パツと外へ——
銭形平次捕物控:125 青い帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
新舊二つある
潜戸
(
くゞりど
)
の洞窟の内へも小舟を進めて見た。殊に新潜戸の方には、美しい傳説が織り込まれてある。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
小川町辺
(
をがはまちへん
)
の
去
(
さ
)
る
御邸
(
おやしき
)
の
前
(
まへ
)
を
通行
(
つうかう
)
すると、
御門
(
ごもん
)
の
潜戸
(
くゞりど
)
へ
西
(
にし
)
の
内
(
うち
)
の
貼札
(
はりふだ
)
が
下
(
さが
)
つてあつて、
筆太
(
ふでぶと
)
に「
此内
(
このうち
)
に
汁粉
(
しるこ
)
あり」と
認
(
したゝ
)
めてあり、ヒラリ/\と風で
飜
(
あほ
)
つて
居
(
を
)
つたから
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は庭石を伝つて、
潜戸
(
くゞりど
)
をくゞつて、薄暗い地階のやうなところを通つて、風呂場へ行つた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
主人が起きて
誰
(
たれ
)
だと問へば、
備前島町
(
びぜんしままち
)
河内屋
(
かはちや
)
八五郎の
使
(
つかひ
)
だと云ふ。河内屋は
兼
(
かね
)
て
取引
(
とりひき
)
をしてゐる家なので、どんな用事があつて、
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
つて人をよこしたかと
訝
(
いぶか
)
りながら、庭へ降りて
潜戸
(
くゞりど
)
を開けた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
私は月や星を後にして
潜戸
(
くゞりど
)
を開け中に這入つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
足一たび
潜戸
(
くゞりど
)
の中に入ると、不安と焦躁と、押し潰された恐怖が入り混つて、何んとも言へぬ緊迫した空氣を感じさせるのも
已
(
や
)
むを得ないことでせう。
銭形平次捕物控:208 青銭と鍵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
出雲浦に見逃せないものは、七つ穴と
潜戸
(
くゞりど
)
の二ヶ所にある大きな洞窟である。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
いざとなると、簡單に
埒
(
らち
)
があきました。嚴重に締め切つた表の
潜戸
(
くゞりど
)
をあけ、八五郎を先頭に、ドツと入つたのが七、八人。平次は家の中で、入つて來る人數を制限するのに骨を折つたくらゐです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「一間そこ/\でせうね。
潜戸
(
くゞりど
)
の内だから」
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
潜戸
(
くゞりど
)
や木戸は開いてゐなかつたのかな」
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「通用門の
潜戸
(
くゞりど
)
は何時でも開いてゐるよ」
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“潜戸(加賀の潜戸)”の解説
加賀の潜戸(かかのくけど)は島根県松江市北部(旧島根町)、日本海に面する潜戸鼻にある海岸景勝地。加賀は集落名を表し、単純に潜戸ともいい、加賀潜戸と表記することもある。
1927年(昭和2年)国の名勝及び天然記念物に「潜戸」の名称で指定されている。大山隠岐国立公園に属する。
日本神話とも関係が深く、佐太大神(佐太神社の祭神)の出生地といわれる。
(出典:Wikipedia)
潜
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“潜”で始まる語句
潜
潜門
潜伏
潜水夫
潜々
潜行
潜入
潜然
潜望鏡
潜込