淺薄せんはく)” の例文
新字:浅薄
しかしてかくごとく偶然の機會よりして偶然の殺戮を見得るが故に、一けんして淺薄せんはくにして原因げんいんもなきものゝたねなる、このしよ眞價しんかじつみぎべたる魔力まりよく所業しよげふ妙寫みようしやしたるにおいて存するのみ。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
その惡事あくじたとへば殺人罪さつじんざいごと惡事あくじ意味いみもなく、原因げんいんきものとふをべきや、これ心理的しんりてき解剖かいぼうして仔細しさいその罪惡ざいあく成立なりたちいたるまでの道程みちのりゑがきたる一書いつしよ淺薄せんはくなりとしてしりぞくることべきや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
來島クルシマ某、津田ツダ某、とうのいかにあはれむべき最後さいごしたるやをるものは、罪と罰の殺人さつじん原因げんいん淺薄せんはくなりとわらひてしりぞくるやうのことなかるべし、利慾よりならず、名譽よりならず、迷信よりならず
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)