トップ
>
浪花
>
なにわ
ふりがな文庫
“
浪花
(
なにわ
)” の例文
とかく昔の
浪花
(
なにわ
)
あたり、このような粋人とおそろしい茶屋が多かったと、その昔にはやはり浪花の粋人のひとりであった古老の述懐。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
蕪村は
摂津
(
せっつ
)
浪花
(
なにわ
)
に近き
毛馬塘
(
けまづつみ
)
の片ほとりに幼時を送りしことその「
春風馬堤曲
(
しゅんぷうばていきょく
)
」に見ゆ。彼は某に与ふる書中にこの曲の事を記して
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
浪花
(
なにわ
)
の国府の府生に任官したのをさいわい、事のおきぬうちと、淀から舟に乗ってだしぬけに浪花へ発って行ってしまった。
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
浪花
(
なにわ
)
より船にのりて明石にわたる乗合あまたにて」という前書がついている。そういう船中の様子を句にしたのである。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
「私立探偵安藤一郎 事務所 日本橋区
蠣殻
(
かきがら
)
町三丁目四番地 電話
浪花
(
なにわ
)
五〇一〇番」と記してある。
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
浪花
(
なにわ
)
町の裏にいた勝梅さんも、焼け出された一家だから、三味線よりほかなんにも持ってなかった。兄さんは
叔母
(
おば
)
のおやそさんそっくりの人で、肺病かもしれなかった。
旧聞日本橋:07 テンコツさん一家
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「はい、
浪花
(
なにわ
)
表で八つ化け
仙次
(
せんじ
)
といわれている人が、なにを隠そう、わちきのだんなさんざます」
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
豊臣太閤に至って
前代未聞
(
ぜんだいみもん
)
の盛事。それもはや
浪花
(
なにわ
)
の夢と消えて、世は徳川に至りて流れも長く治まる。剛強必ず死して
仁義
(
じんぎ
)
王たりという本文を
目
(
ま
)
のあたりに見るようじゃ
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なぜなら、そこは、わたしが覚えて古い
浪花
(
なにわ
)
ぶしの定席だったから。
雷門以北
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「甚兵衛さんならじょうるりじゃないや。きっと
浪花
(
なにわ
)
ぶしだぜ。」
雪渡り
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
○やぶ
入
(
いり
)
や
浪花
(
なにわ
)
を
出
(
いで
)
て
長柄川
(
ながらがわ
)
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
蕪村は摂津
浪花
(
なにわ
)
に近き
毛馬塘
(
けまづつみ
)
の片ほとりに幼時を送りしことその
春風馬堤曲
(
しゅんぷうばていきょく
)
に見ゆ。彼は某に与うる書中にこの曲のことを記して
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「中山殿はじめ、松本奎堂、藤本鉄石、吉村寅太郎の
領袖
(
りょうしゅう
)
は、あれから
宿駕籠
(
しゅくかご
)
で
鷲家
(
わしや
)
村まで行った、それから伊勢路へ走ると先触れを出しておいて、不意に
浪花
(
なにわ
)
へ行く策略であったがな」
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その時勢に、新江戸の土くさい
田舎
(
いなか
)
もののずぶとさと
反撥力
(
はんぱつりょく
)
をもった、新開の土地などでは見られない現象を、古い伝統をもつ大都会、
浪花
(
なにわ
)
の大阪の土地に見たのは当然の事であったろう。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
粋人 (
浪花
(
なにわ
)
)
世間胸算用
(
せけんむねさんよう
)
、五十一歳
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
○春あり成長して
浪花
(
なにわ
)
にあり
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
大阪の雑誌『宝船』第一号に、
蘆陰舎百堂
(
ろいんしゃひゃくどう
)
なる者が三世
夜半亭
(
やはんてい
)
を継ぎたりと説きその証として「
平安
(
へいあん
)
夜半
(
やはん
)
翁三世
浪花
(
なにわ
)
蘆陰舎
(
ろいんしゃ
)
」
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
六町間の一角だけがことに堅気な竪筋なので、
住吉
(
すみよし
)
町、
和泉
(
いずみ
)
町、
浪花
(
なにわ
)
町となると、
葭
(
よし
)
町の方に属し、人形町系統に包含され、
柔
(
やわ
)
らいだ調子になって、向う側の角から変ってくるのが目にたっていた。
旧聞日本橋:23 鉄くそぶとり(続旧聞日本橋・その二)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
侍従中山忠光は
浪花
(
なにわ
)
へ落ち、松本
奎堂
(
けいどう
)
、藤本鉄石、吉村寅太郎らの勇士は、或いは戦死し、或いは自殺して、義烈の名をのみ
留
(
とど
)
めた——十津川の乱の一挙は近世勤王史の花というべく、詳しく書けば
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いや左様なことはありませぬ、聞けば江戸へ下る途中、伊賀の上野にて、これらの浪士の一行に加わり、それより吉野へ出で、いったん
浪花
(
なにわ
)
へ入って、それからまた出直してこの旗上げに加わったように見えまする」
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
浪
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
“浪花”で始まる語句
浪花節
浪花節語
浪花屋
浪花町
浪花江
浪花講
浪花風流
浪花人
浪花橋
浪花津