“なにわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
難波33.7%
浪華33.7%
浪花16.8%
浪速13.7%
灘波2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれの軍が、大坂へもどると、難波なにわの津から一変した新しきこの大都市の住民は、道や城の附近へ押し寄せ、夜まで、歓呼かんこしていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は、門付かどづけをしながら、中国筋を上って、浪華なにわへ出るまでに、半年もかかった。浪華表の倉屋敷で、彼は国元の母からの消息に接した。
仇討三態 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
蕪村は摂津せっつ浪花なにわに近き毛馬塘けまづつみの片ほとりに幼時を送りしことその「春風馬堤曲しゅんぷうばていきょく」に見ゆ。彼は某に与ふる書中にこの曲の事を記して
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
お茶の水で飛田林覚兵衛とんだばやしかくべえに襲われ、浪速なにわあやめに助けられ、そのあやめが雇ってくれた駕籠で山岸主税やまぎしちからは屋敷へかえって来た。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鋭く、くぼんだ眼を上げた歌麿は、その大丸髷が、まがう方なく、かつては江戸随一の美女とうたわれた灘波なにわ屋のおきただと知ると、さすがに寂しい微笑を頬に浮べた。
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)