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いきもの
ふりがな文庫
“
活物
(
いきもの
)” の例文
それが好意となると、相手の
所作
(
しょさ
)
が一挙一動ことごとく自分を目的にして働いてくるので、
活物
(
いきもの
)
の自分にその一挙一動がことごとく
応
(
こた
)
える。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
活物
(
いきもの
)
にこの字を
冠
(
かぶ
)
らせたもので誰でも思い起すのは「蓑虫」である。蓑を着た如き様からかく呼んだのはいうまでもない。
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
私
(
わっし
)
だって頼まれる程の事じゃあなし、困りましたね、どうも、
何
(
なん
)
しろ
活物
(
いきもの
)
だから始末が悪かったろうじゃアありませんか。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
畢竟世の事変は
活物
(
いきもの
)
にて容易にその機変を前知すべからず。これがために智者といえども案外に愚を働くもの多し。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「俺ならどうした。女だって
活物
(
いきもの
)
だ、なぜその日に困らねえようにしておいてやらねえ。食わせりゃこっちが飼主よ、指でも
指
(
さ
)
しやがると承知しねえぞ!」
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
▼ もっと見る
「判官としては、古今無類の仁じゃが、政治の
妙機
(
みょうき
)
は判らぬでのう。法は
活物
(
いきもの
)
、臨機応変に妙味があるが、越前のは
理非曲直
(
りひきょくちょく
)
、ただ法を
枉
(
ま
)
げない事に
専
(
もっぱ
)
らで——」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
苔が厚く
活物
(
いきもの
)
の緑が
蠢
(
うご
)
めいている、水草の動くのは、髪の毛がピシピシと流電に逆立つようだ。
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
此
(
ここ
)
を我慢して
謝罪
(
わび
)
がてら正直にお辰めを思い切れと云う事、今度こそはまちがった理屈ではないが、人間は
活物
(
いきもの
)
杓子定規
(
しゃくしじょうぎ
)
の理屈で
平押
(
ひらおし
)
には
行
(
ゆか
)
ず、人情とか何とか中々むずかしい者があって
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
が、お糸さんも
活物
(
いきもの
)
、私も死んだ思想に捉われていたけれど、
矢張
(
やっぱり
)
活物
(
いきもの
)
だ。
活物
(
いきもの
)
同志が活きた世界で顔を合せれば、直ぐ其処に人生の諸要素が
相轢
(
あいれき
)
してハズミという物を生ずる。即ち
勢
(
いきおい
)
だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
しかし、材料が鮮魚、鮮菜という
活物
(
いきもの
)
が入った上での話である。入れるものがくたびれていたのでは、充分のものはできない。これは、なべ料理にかぎらぬ話であるが、念のため申し添えておく。
鍋料理の話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
小田のようなのは、つまり悪疾患者見たいなもので、それもある篤志な医師などに取っては多少の興味ある
活物
(
いきもの
)
であるかも知れないが、吾々健全な一般人に取っては、寧ろ有害無益の人間なのだ。
子をつれて
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
恐ろしい
活物
(
いきもの
)
は死にました。けれどもあなたは『朝の蜘蛛は悲しみ、夜の蜘蛛は喜び』と云ふ諺を御存じでせう。誰でも、朝蜘蛛を見れば悪い事のしるしとしてゐます。あの小さな雛は険呑です。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
人の娘は
玩具
(
おもちゃ
)
じゃないぜ。博士の称号と小夜と引き替にされてたまるものか。考えて見るがいい。いかな貧乏人の娘でも
活物
(
いきもの
)
だよ。
私
(
わし
)
から云えば大事な娘だ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひっきょう、社会は
活世界
(
かっせかい
)
にして、学校に教うる者も
活物
(
いきもの
)
なれば、学ぶ者もまた活物なり。この活物の運動は、親子の間柄にてもなおかつ自由ならざるものあり。
経世の学、また講究すべし
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
小田のやうなのは、つまり惡疾患者見たいなもので、それもある篤志な醫師などに取つては多少の興味ある
活物
(
いきもの
)
であるかも知れないが、吾々健全な一般人に取つては、寧ろ有害無益の人間なのだ。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“活”で始まる語句
活
活溌
活々
活計
活動
活花
活人形
活気
活字
活動写真