“平押”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひらお50.0%
ひらおし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁度甲州流の戦法のように隙間すきまなくやり穂尖ほさきそろえてジリジリと平押ひらおしに押寄せるというような論鋒ろんぽうは頗る目鮮めざましかった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
寒くて目がめたら、まだ夜は明け離れていなかった。それからのべつ平押ひらおしにここまでやって来たようなものの、こうやたらに松ばかり並んでいては歩くせいがない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ここを我慢して謝罪わびがてら正直にお辰めを思い切れと云う事、今度こそはまちがった理屈ではないが、人間は活物いきもの杓子定規しゃくしじょうぎの理屈で平押ひらおしにはゆかず、人情とか何とか中々むずかしい者があって
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
周囲の状況なんて事を眼中に置かないで、平押ひらおし他人ひとしつけたがる事がだいぶんある。他人なら理窟りくつも立つが、自分で自分をきゅきゅ云う目にわせてうれしがってるのは聞えないようだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)