平押ひらお)” の例文
丁度甲州流の戦法のように隙間すきまなくやり穂尖ほさきそろえてジリジリと平押ひらおしに押寄せるというような論鋒ろんぽうは頗る目鮮めざましかった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
寒くて目がめたら、まだ夜は明け離れていなかった。それからのべつ平押ひらおしにここまでやって来たようなものの、こうやたらに松ばかり並んでいては歩くせいがない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)