洗濯せんだく)” の例文
むかし雄略天皇は狩のみちすがら三川に洗濯せんだくをしてゐる田舎娘を御覧になつて、「顔立かほたちのいゝ娘ぢや、大宮に召し抱へよう」
窓掛の白木綿で、主人が濡手ぬれてを拭いたのを、女中が見て亭主に告口をしたことがある。亭主が苦情を言いに来た処が、もう洗濯せんだくをしてもい頃だと、あべこべに叱って恐れ入らせたそうだ。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ほどこされたりめづらしき氣象きしやうの先生なれば近郷近在きんがうきんざいにては生神いきがみ先生々々せんせい/\と人々がうやまくらゐなり夫に又我等の處は格別かくべつ御贔屓ごひいきにて女房ははり仕事を能する故後家で居た時分には後藤先生のすゝ洗濯せんだくから衣類を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『あァ!それならおまへのは眞個ほんとう學校がくかうではなかつたのだ』と海龜うみがめだいなる確信かくしんもつて、『いまわたしどものはうでは其麽そんなものはみん課目表くわもくへうをはりにある、「佛蘭西語フランスごや、音樂おんがくや、それから洗濯せんだく——其他そのた」』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「いかゞでございませう、このお品では。それからお洗濯せんだくなさいますうち別のがお入用いりようだと存じますが。」
『そんなら洗濯せんだくは?』と海龜うみがめひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それを受取つた講演会の幹事は“Wash”を洗濯せんだくと読んで、ブライアン氏が多分一枚しかない亜麻ライン襦袢シヤツでも洗濯せんだくにやつて、そのせゐで遅れるのだらうと早合点してしまつた。
それは英国の洗濯せんだく屋アアサア・ペツパアといふ男の一人娘の名前で、附けも附けたり