泥坊どろばう)” の例文
今度こんどお客がとまつたら茗荷めうがはせよう、さうしたら無闇むやみに物を忘れてくだらう、ナニ此方こつち泥坊どろばうたのぢやアないからつみにはならねえや。
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
犬達を押しのけて、真黒まつくろな着物の男を引捕ひつとらへました。調べてみると懐に一杯お金をつめこんでゐます。泥坊どろばうなんです。
犬の八公 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
聞より名主の後家ごけお深は急立せきたちナニ九助殿貴樣きさまは親類といひ念頃ねんごろなかわかでも惣内は村役も致す者滿座まんざの中での泥坊どろばうよばはり酒興しゆきようと云てはすみませぬと詰寄つめよせるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
毎日汗を流して働いてためたお金を、泥坊どろばうに盗まれてしまつては、これほど馬鹿ばかげたことはありません。
犬の八公 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
盜み出さんとするところ主人あるじ九郎右衞門は目をさましヤレ泥坊どろばうと聲を立しかば盜賊は吃驚びつくりなし用箪笥ようだんすかゝへて逃出にげいでんとするを九郎右衞門飛懸とびかゝのがさじものをと押へるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
犬の八公とその犬達とがをれば、泥坊どろばうも何もこはいことはありません。昼間はふまでもなく夜分でも、うちを空けて構ひませんし戸を開いたまゝ眠つても構ひません。
犬の八公 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
させて呉れよと云ども某は承知せず近江あふみ泥坊どろばう伊勢いせ乞食こじきといふ事あれば江州の者に油斷ゆだんはならず連はきらひなりと申せしかどたつて供を致し度し申に付據處よんどころなく同道致せしわけ拙者も些少いさゝか油斷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ほう、泥坊どろばうか」とエミリアンはいひました。「泥坊にしちやあ、へたくそのしんまいだな」
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
その、とてもずるい三人の泥坊どろばうが、ある日、一人の百姓に出あつたんだよ。百姓は立派な服をきて、立派な驢馬ろばにのつて、首に鈴をつけた立派な山羊やぎをひいて、町に出かけるところだつた。
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)