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気不味
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きまず
ふりがな文庫
“
気不味
(
きまず
)” の例文
旧字:
氣不味
「おい!」と造酒は
気不味
(
きまず
)
そうに、「親切で
行
(
や
)
った友達のしわざを、そうまで悪い方へ取らないでも、よかりそうなものに思われるがな」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「云い出すなら御米の寝ている今である。今ならどんな
気不味
(
きまず
)
いことを双方で言い
募
(
つの
)
ったって、御米の神経に障る
気遣
(
きづかい
)
はない」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「イヤ何とも
仰
(
おっ
)
しゃりはしないが、アレ以来始終
気不味
(
きまず
)
い顔ばかりしていて打解けては下さらんシ……それに……それに……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そして、その
気不味
(
きまず
)
い雰囲気に、拍車を加えるのは、京子のドアーが開くたびに、ちらりと送る素早い視線だった。
鉄路
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
またしても
気不味
(
きまず
)
いものゝ出来たといううわさが
楽
(
らく
)
になるすこしまえ楽屋の一部にしきりに行われたのである……をそれとなくさぐってみたい肚だった。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
▼ もっと見る
居残った私達三人の間には、妙に
気不味
(
きまず
)
い沈黙がやって来た。が、まもなく夫人は、なにか意を決したように顔をあげると、訴えるような様子で私達へ云った。
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
多少の
気不味
(
きまず
)
さをも顧みずに尋ねて行ったり、子供達の話しで原っぱと云われている、近所にあるが彼女がまだ一度も行って見ない荒れた屋敷跡へ出て見たりして
不幸
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
即
(
すなわ
)
ち生麦で英人のリチヤードソンと云うものを薩摩の
侍
(
さむらい
)
が
斬
(
きっ
)
たと云うことが
丁度
(
ちょうど
)
彼方
(
あっち
)
に報告になった時で、サア仏蘭西のナポレオン政府が
吾々
(
われわれ
)
日本人に対して
気不味
(
きまず
)
くなって来た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
二人の間にはこれといって、
気不味
(
きまず
)
いこともなかったのに別れ話を切り出され、しかも理由は訊くなという。ちょっと廻り気も起ころうってものさ
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼女の口にするところは
重
(
おも
)
に彼ら夫婦間に横たわる
気不味
(
きまず
)
さの
閃電
(
せんでん
)
に過ぎなかった。そうして気不味さの近因についてはついに
一言
(
ひとこと
)
も口にしなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もし不都合があったら、私から
篤
(
とく
)
と云って聞かせるから、遠慮しないで、何でも話しておくれ。御互のなかで
気不味
(
きまず
)
い事があっちゃあ面白くないから」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
語り合ったが、同じ松の花の咲く季節の、今年の春には同じ森で、
気不味
(
きまず
)
い別離を告げようとは……何だか俺には夢のようだ。化かされているような気持もする
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そういわれる
度
(
たび
)
に
気不味
(
きまず
)
い顔をした。ある時は自分を理解しない細君を
心
(
しん
)
から
忌々
(
いまいま
)
しく思った。ある時は
叱
(
しか
)
り付けた。またある時は頭ごなしに
遣
(
や
)
り込めた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さて、どうしたものだろうな。思い切って打ち込むかとにかく相手は代稽古、俺に負けては
気不味
(
きまず
)
かろう。と云ってこっちも負けられない。ええ構うものかひっぱたいてやれ。エイ!」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
僕はまだ
妻
(
さい
)
を貰った経験がないから、そう云う事を口にする資格はないかも知れないが、いかな仲の
善
(
い
)
い夫婦でも、時々は
気不味
(
きまず
)
い思をしあうのが人間の常だろうから
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お花か‼」と義哉は
気不味
(
きまず
)
そうに云った。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
と
御米
(
およね
)
とは仲の好い夫婦に違なかった。いっしょになってから
今日
(
こんにち
)
まで六年ほどの長い月日を、まだ半日も
気不味
(
きまず
)
く暮した事はなかった。
言逆
(
いさかい
)
に顔を赤らめ合った
試
(
ためし
)
はなおなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
造酒は
気不味
(
きまず
)
い顔をした。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
代助は少しでも
気不味
(
きまず
)
い様子を見せて、この上にも、女の優しい血潮を動かすに堪えなかった。同時に、わざと向うの意を迎える様な言葉を掛けて、相手を
殊更
(
ことさら
)
に気の毒がらせる結果を避けた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“気不”で始まる語句
気不精
気不症