氏神うぢがみ)” の例文
吹田村すゐたむら氏神うぢがみの神主をしてゐる、平八郎の叔父宮脇志摩しまの所へ捕手とりての向つたのは翌二十日で、宮脇は切腹して溜池ためいけに飛び込んだ。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
氏神うぢがみ祭禮さいれいは、四五月頃しごぐわつごろと、九十月頃くじふぐわつごろと、春秋しゆんじう二度にどづゝあり、小兒こども大喜おほよろこびなり。あきまつりはうにぎはし。祇園囃子ぎをんばやし獅子ししなどづるはみなあきまつりなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
右の条々、もし偽りこれあるにおいては、日本国大小の神祇じんぎ、殊に八まん大菩薩だいぼさつ愛宕白山摩利支尊天あたごはくさんまりしそんてん、べつして氏神うぢがみの御罰、深重しんちようまかりかうむるべきもの也。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(再び槌を取りあげ)南無帝釈たいしやく四天王、五道冥官みやうくわん、日本伊勢大神宮、八幡大菩薩、春日大明神其他氏神うぢがみ、南無阿弥陀仏。はら、やいの、おう、南無阿弥陀仏。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
これが「氏神うぢがみ」と「氏子うぢこ」といふ関係の発生した一原因である。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
おなじゆかりの氏神うぢがみ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
武門ぶもん氏神うぢがみあがめ奉つる事世の人の皆知る處なれば爰に贅言ぜいげんせず因て當時將軍家より社領しやりやう一萬石御寄進きしんありかゝる目出度御神なれば例年八月十五日御祭禮のせつ放生會はうじやうゑの御儀式ぎしきあり近國きんごく近在きんざいより其日參詣なす者數萬人及び八幡山崎淀一口其近邊は群集ぐんじゆ一方ならずよどの城主稻葉丹後守殿より毎年まいねん道普請みちぶしん等丈夫に申付られ當日は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)