母御はゝご)” の例文
四人にあまるお子たちの母御はゝごでいらっしゃいましたけれども、根がおうつくしいおかたのうえに、ついぞいまゝでは苦労という苦労もなされず
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
のきばのまつつるをくひはせぬか、これを世間せけんなにるらん、母御はゝご世辭せじ上手じようずにてひとらさぬうまさあれば、いものにしてやみをたどるむすめよりも、一まいあがりて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ロミオ あのかた母御はゝごとは、何誰どなたぢゃ?
たがひぞとて御優おやさしき御詞おことばわれもしきりにうれしくてたづぬるひとありとこそあかさゞりしが種々いろ/\との物語ものがたり和女そなた母御はゝご斯々かく/\ひとならずやとおもらぬ御問おとまことかぞなんとして御存ごぞんじとへばわすれてるべきか和女そなたれとは兄弟きやうだいぞかしれは梨本なしもというなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)