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此地
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こっち
ふりがな文庫
“
此地
(
こっち
)” の例文
串戯じゃない、……いや、その串戯ではない座敷の上段へ、今夜も通された——サの字の謎から、ずっと電車で
此地
(
こっち
)
へ来てだよ。……
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
𤢖の一件が
意
(
き
)
にかかるのと、二つには何と無しに
此地
(
こっち
)
の方へ足が向いたと云うに過ぎないのである。けれども、
彼女
(
かれ
)
は酔っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「マアサ私の
言事
(
いうこと
)
をお聞きヨ。それよりかアノ叔父も何だか考えがあるというからいずれ
篤
(
とっく
)
りと相談した上でとか、さもなきゃア
此地
(
こっち
)
に心当りがあるから……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
なに
彼
(
あれ
)
は東京の
駿河台
(
するがだい
)
あたりの士族で、まだ
若
(
わか
)
え男だが、お瀧が東京の猿若町で芸者を
為
(
し
)
て居た時分に贔屓に成った人で、今
零落
(
おちぶ
)
れて
此地
(
こっち
)
へ来て居ると云うので
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「村の者の話に
拠
(
よ
)
ると、親父は山の方へ登ったとも云うんだ。
若
(
も
)
し
然
(
そ
)
うならば、万一
此地
(
こっち
)
の方へでも迷い込んで来やアしないかと思って……。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
「さあ、そう、うまく行くか知らん。……内証で呼出したりなんかして、どんな三百代言が
引搦
(
ひっから
)
まろうも知れないからね、
此地
(
こっち
)
は人気が悪いんだから。」
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今までだッてもそうだ、
何卒
(
どうぞ
)
マア文さんも首尾よく立身して、早く
母親
(
おっか
)
さんを
此地
(
こっち
)
へお呼び申すようにして上げたいもんだと思わない事は唯の一日も有ません。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
角「
有難
(
ありがて
)
えな、それではお達者で、また
此地
(
こっち
)
の田舎のお
父
(
とっ
)
さんの
家
(
うち
)
の方へも来て逢う事がありやすべえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
近々に兄さんの来なさるッて事が
此地
(
こっち
)
の新聞に二三度続けて出ていましたからね、……五日ほど前に
潟
(
かた
)
の
鮒
(
ふな
)
を取っておいたの。お
汁
(
つけ
)
の熱いのをと思ってさ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新「成程そうでしょうねえ、
雷鳴
(
かみなり
)
には実に驚きまして、
此地
(
こっち
)
は
筑波
(
つくば
)
近
(
ぢか
)
いので雷鳴は
酷
(
ひど
)
うございますね」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まあ、
貴方
(
あなた
)
は
此地
(
こっち
)
へ来てから、
余程
(
よっぽど
)
大きくなったのねえ。今じゃ
私
(
あたし
)
とは
屹度
(
きっと
)
一尺から違ってよ。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
主税がまた
此地
(
こっち
)
へ来ると、ちとおかしいほど男ぶりが立勝って、
薙放
(
なぎはな
)
しの
頭髪
(
かみ
)
も洗ったように水々しく、色もより白くすっきりあく抜けがしたは、水道の
余波
(
なごり
)
は争われぬ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
母親
(
おっかア
)
さん、そんな事を
仰
(
おっ
)
しゃるけれど、文さんは
此地
(
こっち
)
に
何
(
なん
)
か心当りがお
有
(
あん
)
なさるの」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私は能役者で、今度だって
此地
(
こっち
)
へ来たのさ。謡の師匠なら、さき様の歓迎会や披露どころか。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新
(
あらた
)
に別荘を一軒借りるのも
億劫
(
おっくう
)
だし、部屋
借
(
がり
)
が出ず入らず、しかるべき
空座敷
(
あきざしき
)
があるまいか、と私が
此地
(
こっち
)
に居た処から、叔父へ相談があったというので、世話をするように言って来た。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“此地”で始まる語句
此地方
此地震
此地形
此地球
此地辺
此地面
此地震史上
此地球内部状態