歡樂くわんらく)” の例文
新字:歓楽
よくたゞしてると、しかく平氣へいきをとこも、時々とき/″\歡樂くわんらく飽滿はうまん疲勞ひらうして、書齋しよさいのなかで精神せいしんやすめる必要ひつえうおこるのださうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ロレ さうした過激くわげき歡樂くわんらくは、とかく過激くわげきをはりぐる。煙硝えんせうとが抱合だきあへばたちま爆發ばくはつするがやうに、勝誇かちほこ最中さなかにでもほろせる。
歡樂くわんらく極まつて、哀愁を生ずると言つた、花と酒とに疲れ果てた、不思議な江戸の一角でした。
女は戀人として男に苦痛を與へると同時に歡樂くわんらくを與へるけれども、妻としては所天をつと何等なんらの滿足も與へぬ、與へたとしてもそれは交換的で、しかも重い責任をになはせられやうといふものだから
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
とらへがたき過ぎし日の歡樂くわんらく
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
歡樂くわんらくぬきに、苦悶のたての絲
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
せめて今宵は歡樂くわんらく
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ロミオ いまヂュリエットと被言おしゃったの? ひめなんとしてぢゃ? ひめわし二人ふたりなか歡樂くわんらくその水子みづご
歡樂くわんらくの馬鹿騷ぎは、重つ苦しい恐怖の騷ぎに變りました。階下したで呑み直す支度をして居た伴三郎も、左孝の惡巫山戯わるふざけを逃避して廊下で凉んでゐたお駒も、重い緊張した顏を持つて來ました。