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植村
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うゑむら
看護の
人も
勞れぬ、
雪子の
身も
弱りぬ、きのふも
植村に
遇ひしと
言ひ、
今日も
植村に
遇ひたりと
言ふ、
川一つ
隔てゝ
姿を
見るばかり
否植村も
氣が
狹いからで、どうも
此樣な
事になつて
仕舞つたで、
私共二人が
實に
其方に
合せる
顏も
無いやうな
仕儀でな、
然し
雪をも
可愛想と
思つて
遣つて
呉れ
怪しき
書風に
正躰得しれぬ
文字を
書ちらして、これが
雪子の
手跡かと
情なきやうなる
中に、
鮮かに
讀まれたる
村といふ
字、
郎といふ
字、あゝ
植村録郎、
植村録郎