格式かくしき)” の例文
あたかも倹約の幸便こうびん格式かくしきりきみをするがごとくにして、綿服の者は常に不平をいだき、到底とうてい倹約の永久したることなし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
使者ししゃ格式かくしきをわすれて、お小姓こしょうとんぼマルだしの、子供らしい口ぶりになっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人の津志田谷右衞門は、三千石の格式かくしきもかなぐり捨てて、平次をさし招くのです。
それはたとへば堂塔だうたふ伽藍がらんつく場合ばあひに、巨大きよだいなるおも屋根やねさゝへる必要上ひつえうじやう軸部ぢくぶ充分じうぶん頑丈ぐわんぜうかためるとか、宮殿きうでんつく場合ばあひに、その格式かくしきたもち、品位ひんゐそなへるために、優良いうれうなる材料ざいれうもち
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
制しながら來るに程なく正使せいし御目付代御使番高二千石松平縫殿頭殿先箱さきばこ赤熊しやくま二本道具徒士かち小姓こしやう馬廻り持槍は片鎌の黒羅紗長柄ながえ簑箱みのばこ對箱つゐばこ草履取引馬鞍覆くらおひは黒羅紗丸につた紋所もんどころ引續いて公用人給人其外上下七八十人萬石以上の格式かくしきなり副使ふくしは御勘定梶川庄右衞門殿槍挾箱長柄其外引揃へ行列正しく通行あるに藤八は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)