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枳殼
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からたち
ふりがな文庫
“
枳殼
(
からたち
)” の例文
新字:
枳殻
葉の尖つた
柊
(
ひゝらぎ
)
、暗い杉、
巴丹杏
(
はたんきやう
)
などが其邊に茂つて居まして、木戸の横手にある石垣の隅には見上げるほど高い
枳殼
(
からたち
)
が立つて居ました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ソーンフィールドも好きです、その
古風
(
こふう
)
さ
閑寂
(
かんじやく
)
さ、古い、
鴉
(
からす
)
の木や
枳殼
(
からたち
)
の木、灰色の
建物
(
たてもの
)
の正面、また鋼鐵色の空を
映
(
うつ
)
す暗い窓の線などもね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
さしもに咲き栄えたいにしえの文の苑も、まわりの垣根が
枳殼
(
からたち
)
では話にならない。古い国だと自慢はして居るものの、古人を友とする方法は断ち切られようとして居る。
書物を愛する道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
或る曲り角で、向うから駈けてきた俥を避ける拍子に、
枳殼
(
からたち
)
の生籬の刺で、彼は手の甲を少し傷つけた。血のにじんだ所へ唾をつけると、ひりひりと痛んだ。それが妙に快い気持だった。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
枳殼
(
からたち
)
の
墻
(
かき
)
恨みしか
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
枳殼
(
からたち
)
の庭
短歌集 日まはり
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
父
(
とう
)
さんが
蝶々
(
てふ/\
)
をめがけて
竹竿
(
たけざを
)
を
振
(
ふ
)
る
度
(
たび
)
に、それが
枳殼
(
からたち
)
の
枝
(
えだ
)
を
打
(
う
)
つて、
青
(
あを
)
い
葉
(
は
)
がバラ/\
落
(
お
)
ちました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何
(
なん
)
の
氣
(
き
)
なしに
父
(
とう
)
さんはその
蝶々
(
てふ/\
)
を
打
(
う
)
ち
落
(
おと
)
すつもりで、
木戸
(
きど
)
の
内
(
うち
)
の
方
(
はう
)
から
長
(
なが
)
い
竹竿
(
たけざを
)
を
探
(
さが
)
して
來
(
き
)
ました。ほら、
枳殼
(
からたち
)
といふやつは、あの
通
(
とほ
)
りトゲの
出
(
で
)
た、
枝
(
えだ
)
の
込
(
こ
)
んだ
木
(
き
)
でせう。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
大
(
おほ
)
きな
蝶々
(
てふ/\
)
だけが
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
黒
(
くろ
)
い
羽
(
はね
)
をひろげて、
枳殼
(
からたち
)
のまはりを
飛
(
と
)
んで
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
枳
漢検1級
部首:⽊
9画
殼
部首:⽎
12画
“枳殼”で始まる語句
枳殼垣