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旅客
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たびびと
ふりがな文庫
“
旅客
(
たびびと
)” の例文
二人は底知れぬ谷に
墜
(
お
)
ち
失
(
う
)
せたり。
千秋万古
(
せんしゅうばんこ
)
、ついにこの二人がゆくえを知るものなく、まして一人の
旅客
(
たびびと
)
が情けの光をや。
詩想
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
落草
(
ぬすびと
)
ども道を
塞
(
ささ
)
へて、
行李
(
にもつ
)
も残りなく
奪
(
うば
)
はれしがうへに、人のかたるを聞けば、是より東の方は所々に
新関
(
しんせき
)
を
居
(
す
)
ゑて、
旅客
(
たびびと
)
の
往来
(
いきき
)
をだに
宥
(
ゆる
)
さざるよし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
肺結核!
茫々
(
ぼうぼう
)
たる野原にただひとり立つ
旅客
(
たびびと
)
の、頭上に迫り来る夕立雲のまっ黒きを望める心こそ、もしや、もしやとその病を待ちし浪子の心なりけれ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
それを聞いて、眉間尺は身をかくしたが、行くさきもない。彼は山中をさまよって、悲しく歌いながら身の隠れ場所を求めていると、
図
(
はか
)
らずも一人の
旅客
(
たびびと
)
に出逢った。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
見るに三ツ
股
(
また
)
の
辻
(
つじ
)
の
此方
(
こなた
)
に人の
寢
(
ね
)
て居る樣子ゆゑ何心なく通りけるに
這
(
こ
)
は其も如何に一人の
旅客
(
たびびと
)
の
朱
(
あけ
)
に
染
(
そめ
)
切倒
(
きりたふ
)
されて居たりしかば三人共に大いに驚きながらも一人は死人の向ふを通り
拔
(
ぬけ
)
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
丑松の顔を
眺
(
なが
)
め、細君の顔を眺め、それから
旅客
(
たびびと
)
の群をも眺め廻し乍ら
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
斂
(
あつ
)
むべからず
貧
(
まず
)
しき
者
(
もの
)
と
旅客
(
たびびと
)
のためにこれを
遺
(
のこ
)
しおくべし
聖家族
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
雪深き
深山
(
みやま
)
の
人気
(
ひとけ
)
とだえし
路
(
みち
)
を
旅客
(
たびびと
)
一人
(
ひとり
)
ゆきぬ。
雪
(
ゆき
)
いよいよ深く、路ますます危うく、寒気
堪
(
た
)
え難くなりてついに倒れぬ。
詩想
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
されど路傍なる梅の
老木
(
おいき
)
のみはますます栄えて年々、花咲き、うまき実を結べば、道ゆく
旅客
(
たびびと
)
らはちぎりて食い、その
渇
(
かわ
)
きし
喉
(
のんど
)
をうるおしけり。
詩想
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
“旅客”の解説
旅客(りょかく、en: passenger)とは、乗り物に乗っている人のうち乗員以外の人のこと。乗客(じょうきゃく)とも。
(出典:Wikipedia)
旅
常用漢字
小3
部首:⽅
10画
客
常用漢字
小3
部首:⼧
9画
“旅客”で始まる語句
旅客機
旅客表
旅客訊問