斷乎だんこ)” の例文
新字:断乎
しかるに醫學博士いがくはかせにして、外科げくわ專門家せんもんかなるかれちゝは、斷乎だんことしてかれ志望しばうこばみ、かれにして司祭しさいとなつたあかつきは、とはみとめぬとまで云張いひはつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
だんじて/\、たとへこのくちびるかるゝとも。』とわたくし斷乎だんことしてこたへた。大佐たいさ微笑びせうびてわたくしかほながめた。
その彼の凝視の中には不作法ぶさはふなまでの直情徑行と、詮索的な斷乎だんこたる頑固さが動き、それは今迄この未知の客に對して素知そしらぬ顏をしてゐたのも遠慮からではなく
そのまつたくの卵形たまごがたをした肌理きめの細かな顏には何一つ力といふものがなく、その鷲鼻わしばなにも小さな櫻桃さくらんぼのやうな口にも斷乎だんこたるものはなく、その狹い平坦へいたんひたひには思慮などなく
しからば、君等きみらある時期ときまで、このしま滯在たいざいせねばなりません。』と斷乎だんこ言放いひはなつた。
彼の樣子も聲も斷乎だんことしてゐた。フェアファックス夫人の警告のつめたさ、彼女の疑ひの氣配が私に注がれてゐた。何か實質の無い、不確かなものが、私の希望を絶つてしまつた。