新店しんみせ)” の例文
第二篇の饗庭篁村の『掘出し物』は丁度新店しんみせ見世開みせびらきに隣家となり老舗しにせの番頭をやとって来たようなものであるが、続いて思案の『乙女心おとめごころ』、漣の『妹背貝いもせがい』と
友「へい/\、どういたしまして新店しんみせのことで、何方様どちらさまへでも参ります、う云う物が御入用様でげすか、えー宅にありませんでも取寄せて御覧に入れます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新店しんみせで、親方というのがわかいので、女房かみさんもまだ出来たてだもんですから、職人は欲しい、世話はしたいが一所に居るのはちと工合が悪い、内には妹と厄介な叔母おばとが居て
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
新店しんみせだもんですから、スッカリ馬鹿にされちゃったんですよ。口惜しいったらありゃしない
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「よし、よし、じゃ、もうそうするでない。晩に新店しんみせへでも行って来てあげるから。」
窃む女 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
いいえ、べつだん旨いというわけでもございませんし、近頃の新店しんみせで、べつだん名物というわけでもございませんが、変な風説が起りまして、近ごろは、ああやって飲食の前へ人立ちを
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私はすぐにそれを持って町に行き、新店しんみせという店で、唐紙とうしと白紙をたくさん買った。たくさんと言っても五銭か十銭かだったろう。そして釣がないからと言うので、代は払わずに帰った。
私の父 (新字新仮名) / 堺利彦(著)
「近所へ新店しんみせが出来たのを神経に病んでいるんじゃないかい?」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
友「まアお掛け遊ばせ、いお天気様で、エー新店しんみせの事で、エー働きますが御贔屓ごひいきを願います」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大火鉢おほひばちがくわん/\とおこつて、鐵瓶てつびんが、いゝ心持こゝろもちにフツ/\と湯氣ゆげててる。銅壺どうこには銚子てうしならんで、なかにはおよぐのがある。老鋪しにせ旦那だんな新店しんみせ若主人わかしゆじん番頭ばんとうどん、小僧こぞうたちも。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)