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按察使
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あぜち
ふりがな文庫
“
按察使
(
あぜち
)” の例文
おそばにいるはずの
按察使
(
あぜち
)
の君も時々通って来る源中将が無理に部屋のほうへ呼び寄せたので、この小侍従だけがお付きしているのであった。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
灯はなく、天皇の
御寝
(
ぎょし
)
の場とて、すぐそこの炉の床だった。そして
按察使
(
あぜち
)
ノ大納言
資名
(
すけな
)
は、土間へじかにむしろを敷き、破れ壁にもたれて、眠るともない姿でいた。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その河原の左大臣
源融
(
みなもとのとほる
)
はわかい時分に陸奥の
按察使
(
あぜち
)
として行かれた土地の中でも、この港の景色を殊に恋しく思ひ出されてその豪しやな河原の院の庭を作つたのであらう。
東北の家
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
按察使
(
あぜち
)
の大納言
資賢
(
すけかた
)
は
和琴
(
わごん
)
を鳴らし、その子
右馬頭資時
(
うまのかみすけとき
)
は
風俗
(
ふうぞく
)
、
催馬楽
(
さいばら
)
を歌い、四位の侍従
盛定
(
もりさだ
)
は拍子をとりながら
今様
(
いまよう
)
を歌うなど、和気
藹々
(
あいあい
)
のうちに得意の芸が披露されていた。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
按察使
(
あぜち
)
紀広純を殺すという大騒ぎになりました。
本州における蝦夷の末路
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
▼ もっと見る
兵部卿の宮が中宮のお
宿直
(
とのい
)
座敷から御自身の
曹司
(
ぞうし
)
のほうへ行こうとしていられるところへ
按察使
(
あぜち
)
大納言家の若君は来た。
源氏物語:45 紅梅
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
嬉々
(
きき
)
として
這
(
は
)
いまわっている
嬰児
(
えいじ
)
があるので、或る人が、
何人
(
なにびと
)
の子におわすかと訊いたところ、
按察使
(
あぜち
)
の
資賢
(
すけかた
)
の息女玉琴の子であると上人がいわれたので、訊いた者は
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今
按察使
(
あぜち
)
大納言といわれている人は、故人になった太政大臣の次男であった。
亡
(
な
)
き
柏木
(
かしわぎ
)
の
衛門督
(
えもんのかみ
)
のすぐの弟である。
源氏物語:45 紅梅
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
按察使
(
あぜち
)
ノ大納言
資名
(
すけな
)
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前の
按察使
(
あぜち
)
大納言はもうずっと早く
亡
(
な
)
くなったのでございますからご存じはありますまい。その夫人が私の姉です。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
左大臣が
薨
(
な
)
くなったので、右が左に移って、
按察使
(
あぜち
)
大納言で左大将にもなっていた玉鬘夫人の弟が右大臣に上った。
源氏物語:46 竹河
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
今日は
按察使
(
あぜち
)
大納言家へ
兵部卿
(
ひょうぶきょう
)
の宮が来ておいでになった。以前よりもずっと邸が荒れて、広くて古い家に小人数でいる寂しさが宮のお心を動かした。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
北山へ養生に行っていた
按察使
(
あぜち
)
大納言の未亡人は病が
快
(
よ
)
くなって京へ帰って来ていた。源氏は
惟光
(
これみつ
)
などに京の家を
訪
(
たず
)
ねさせて時々手紙などを送っていた。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
例のような目のさめがちな
独
(
ひと
)
り寝のつれづれさを思って
按察使
(
あぜち
)
の君と言って、他の愛人よりはやや深い愛を感じている女房の
部屋
(
へや
)
へ行ってその夜は明かした。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
按察使
(
あぜち
)
大納言、
式部卿
(
しきぶきょう
)
の宮様などから婿君にといって懇望されていらっしゃったのを無視しておいでになったあとで帝の御秘蔵の宮様を奥様におもらいになった方だもの
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
高級役人や殿上人の
饗膳
(
きょうぜん
)
などは
内蔵寮
(
くらりょう
)
から供えられた。左大臣、
按察使
(
あぜち
)
大納言、
藤
(
とう
)
中納言、
左兵衛督
(
さひょうえのかみ
)
などがまいって、皇子がたでは
兵部卿
(
ひょうぶきょう
)
の宮、
常陸
(
ひたち
)
の宮などが侍された。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
罪に問われることは、
支那
(
しな
)
でもここでも源氏の君のようなすぐれた天才的な方には必ずある災厄なのだ、源氏の君は何だと思う、私の
叔父
(
おじ
)
だった
按察使
(
あぜち
)
大納言の娘が母君なのだ。
源氏物語:12 須磨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
雲井の雁の実母である
按察使
(
あぜち
)
大納言の夫人も、娘がよい婿を得たことで喜んだ。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
按察使
(
あぜち
)
大納言の娘、
左衛門督
(
さえもんのかみ
)
の娘などが出ることになっていた。それから殿上役人の中から一人出す舞い姫には、今は
近江守
(
おうみのかみ
)
で左中弁を兼ねている
良清朝臣
(
よしきよあそん
)
の娘がなることになっていた。
源氏物語:21 乙女
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
多情な御性質であるから、あの
按察使
(
あぜち
)
大納言の家の紅梅の姫君をもまだ断念してはおいでにならず、なお花
紅葉
(
もみじ
)
につけ好奇心の対象としてそこへも御消息はよこしておいでになるのである。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
“按察使”の解説
按察使(中朝越:あんさつし、日本:あぜち)は、中国・日本・朝鮮・ベトナムにかつて存在した官職である。明清においては正三品であった。「按察使」の名称は唐代から用いられた。もともとは監察官のような性質の官職で、監察御史の役割に近かった。後代では司法官としての性質を強め、清代には臬台、臬司、廉訪使、廉台などの別称があった。
(出典:Wikipedia)
按
漢検準1級
部首:⼿
9画
察
常用漢字
小4
部首:⼧
14画
使
常用漢字
小3
部首:⼈
8画
“按察使”で始まる語句
按察使大納言資賢
按察使大納言