“あぜち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
按察使70.0%
按察30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その河原の左大臣源融みなもとのとほるはわかい時分に陸奥の按察使あぜちとして行かれた土地の中でも、この港の景色を殊に恋しく思ひ出されてその豪しやな河原の院の庭を作つたのであらう。
東北の家 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
按察使あぜちの大納言資賢すけかた和琴わごんを鳴らし、その子右馬頭資時うまのかみすけとき風俗ふうぞく催馬楽さいばらを歌い、四位の侍従盛定もりさだは拍子をとりながら今様いまようを歌うなど、和気藹々あいあいのうちに得意の芸が披露されていた。
按察あぜち大納言資賢すけかたの御子息、右馬頭資時うまのかみすけとき一人を供にして、いずくともなく、そっと御所を忍び出られた。誰一人としてこのことに気づいた者はいなかった。
中がらすの障子のうちには今様いまやう按察あぜち後室こうしつ珠数じゆずをつまぐつて、かぶりの若紫わかむらさき立出たちいづるやと思はるる、その一トかまへが大黒屋の寮なり。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)