按察あぜち)” の例文
中がらすの障子のうちには今樣の按察あぜちの後室が珠數をつまぐつて、かぶつ切りの若紫も立出るやと思はるゝ、その一ツ構へが大黒屋の寮なり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
法皇の近臣三十余名の官職をぎとり、さきの関白基房をはじめ、藤大納言実国とうだいなごんさねくに按察あぜち大納言父子おやこなど、次々に都から追い出して、遠国へ流してしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
按察あぜち大納言資賢すけかたの御子息、右馬頭資時うまのかみすけとき一人を供にして、いずくともなく、そっと御所を忍び出られた。誰一人としてこのことに気づいた者はいなかった。
中がらすの障子のうちには今様いまやう按察あぜち後室こうしつ珠数じゆずをつまぐつて、かぶりの若紫わかむらさき立出たちいづるやと思はるる、その一トかまへが大黒屋の寮なり。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
俄に南へいそいだ御車には、万里小路藤房、季房すえふさ源中納言げんちゅうなごん北畠具行、六条ノ少将千種忠顕ちぐさただあき按察あぜちノ大納言公敏きんとしたちの諸公卿、ほか随身をいれても、わずか二十名前後。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なかがらすの障子しようじのうちには今樣いまやう按察あぜち後室こうしつ珠數じゆずをつまぐつて、かぶりの若紫わかむらさき立出たちいづるやとおもはるゝ、その一ツかまへが大黒屋だいこくやりようなり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)