打頷うちうなず)” の例文
「はい、」しばらくして、「はい、」媼は返事ばかりでは気が済まぬか、団扇持つ手と顔とを動かして、笑傾えみかたむけては打頷うちうなずく。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さっきから黙然もくねんとして、ただ打頷うちうなずいておりました小宮山は、何と思いましたか力強く、あたかも虎をてうちにするがごとき意気込で、蒲団の端を景気よくとんと打って、むくむくと身を起し
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小次郎法師のうなずくのを、合点させたり、とじっと見て、うばはやがて打頷うちうなず
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と敬えば、銀平したり顔に打頷うちうなずき、「うむ、僕は横須賀の探偵だ。」
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女房は打頷うちうなずいた襟さみしく、の張る胸をおさえたのである。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夫人 (打頷うちうなずく)お亀様、このお土産は、これは、たしか……
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
得三は床柱を見て屈竟と打頷うちうなずき、やにわに下枝をいだき寄せ
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「人形町からでは随分ある。」と鴨川は打頷うちうなずく。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三方に分れてたたずむ、三羽の烏、また打頷うちうなずく。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三方に分れてたたずむ、三羽の烏、また打頷うちうなずく。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
出家はあらためて、打頷うちうなずき、かつしわぶきして
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おもてを背けてわれは笑いぬ。継母は打頷うちうなず
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見詰めつついう気構きがまえに、さからわず打頷うちうなず
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おうなは胸を折つてゆるやかに打頷うちうなず
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
赤目のおうなは自から深く打頷うちうなずいた。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただ打頷うちうなずくのは神月であった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
打頷うちうなずけば轔々りんりんとして走りぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「むむ、」とお夏は打頷うちうなずく。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
泰助は莞爾かんじとして打頷うちうなず
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言消したが、また打頷うちうなず
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
謙造は親しげに打頷うちうなず
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金之助はあらためて打頷うちうなず
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
顔を見合わせ、打頷うちうなず
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と悠然として打頷うちうなず
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
打頷うちうなずけば頷いて
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
丹平は打頷うちうなずき。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)