ざえ)” の例文
縱令よしや色は衰ふとも、才情はむかしのまゝなるべし。かへす/″\もにくむべきはベルナルドオが忍びて彼ざえ彼情を棄てつるなる哉。
うちのうへの源氏の物語人に読ませ給ひつつ聞しめしけるに、この人は日本紀にほんぎをこそよみ給へけれ、まことざえ有べしとのたまはせけるを……
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
新しい唐の制度の模倣ばかりして、漢土もろこしざえが、やまと心に入り替ったとわれて居る此人が、こんな嬉しいことを言う。家持は、感謝したい気がした。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
「なおざえをもととしてこそ、大和魂やまとだましいの世に用いらるるかたも強うはべらめ」です。分りますか?
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
げに言ふがひなきざえならめど
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
あまりに惜しきざえなれば
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
アヌンチヤタのざえと色とは殆ど我をして狂せしめ、ララの理想めきたる美は魔力を吾頭上に加へ、並に皆我をしてその人を我物にせん願を起さしめしなり。
上つ方の郎女が、ざえをお習い遊ばすと言うことが御座りましょうか。それは近代ちかつよ、ずっとしもざまのおなごの致すことと承ります。父君がどうおっしゃろうとも、父御ててご様のお話は御一代。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
戀も、詩歌しいかも、ざえも、名も
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
あまりに惜しきざえなれば
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
人々の聰明ぶり博識ぶりて、自ら處世のざえけたりげに振舞ふは、皆我が食客たるをもてにあらずや。
そうした闊達かったつな、やまとごころの、赴くままにふるもうて居る間に、ざえ優れた族人うからびとが、彼を乗り越して行くのに気がつかなかった。姫には叔父、彼——豊成には、さしつぎの弟、仲麻呂である。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
をんなのざえを奪はれて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ざえ』のあをみ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)